(8日、高校野球 津田学園7―6藤枝明誠)

 津田学園の宮木はヒットにできるボールを待っていた。同点の十一回2死一、二塁。ただ、じっと待っていたわけではない。内角の厳しい球も、「ファウルでいい」と振れる球は全部振った。5球目は、ようやくきた外角の浮いた球。前進していた中堅手の頭を越えるサヨナラ二塁打にした。

 0―8。津田学園が昨秋の練習試合で藤枝明誠と戦い、コールド負けしたときのスコアだ。しかし、チームはこの試合に前向きに臨んだ。佐川監督も「秋の東海大会前で明誠さんは勢いがあるとき。秋の県大会で負けてメンタル的に落ちているうちとの差が出た。あの負けは割り切っていこう」と選手に伝えていた。

 元々、チームカラーは「超前向き」だ。「エラーはオッケー。次のプレー」と菊地。この試合でチームは三つ記録した。だが打線は目標とした「7得点」をめがけて攻め続けた。

 1点を追いかける四回には、同点に追いつき、さらに2死満塁。菊地が高めのボール球を思い切り振り抜き、左中間へ走者一掃の三塁打。「この試合はいけると思えた」と菊地。無得点だった昨秋からチームは大きく前進。六回までに6―6。終盤は一転して守り合いになったが、延長戦で押し切った。

 スコアは7―6。目標に到達する「7点目」が決勝点になった。「初出場を成し遂げたが、まさか勝利までとは。熱い思いと、うれしい気持ちでいっぱい」と佐川監督は選手の成長を喜んだ。(坂名信行)