(9日、高校野球 明徳義塾6―3日大山形)

 春から夏へ、明徳義塾の1球にかけてきた思いが勝負どころで出た。

 十回2死二、三塁。二遊間へ打球が転がった。中堅へ抜けそうな球に二塁手近本が食らいつく。足がもつれそうになりながら踏ん張り一塁送球。しのいだ。

 春の選抜はその1球を取れず、敗れた。早稲田実(東京)との1回戦。十回2死三塁で、ゴロに近本が飛びついたが届かず、中前に抜けて勝ち越された。その再現のような打球。今度はつかんだ近本は「選抜で一番悔しい思いをした。球際のノックはいつも佐藤先生(部長)から『そこを取れないと甲子園で負けるぞ』と言われ続けて練習してきた。成果が出た」。

 馬淵監督も「しぶとい守備で、ええ仕事してくれた。辛抱の連続でした」と語った。走塁やバントのミスで好機を逃す拙攻はあった。それでも、ここぞという場面での堅守に、明徳の伝統を見せた。(増田啓佑)

 ○谷合(明) 十二回に遊撃内野安打。相手の送球が乱れる間に勝ち越し点が入る。「調子は良くなかった。ラッキーなヒットでした」