(10日、高校野球 花咲徳栄9―0開星)

■開星・岩瀬賢勇

 敏腕マネジャーだ。この日はアルプス席で応援のしきり役を担った。打席ごとに応援曲や演奏のタイミングを吹奏楽部に伝え、全体の応援をリード。先回りした動きが得意で、「夏休みの宿題は7月中に終わらせるタイプです」。

 開星ではマネジャーは選手間で決めるか、監督が指名するのが慣例。だが6月、自ら転向を申し出た。愛知県西尾市から甲子園を目指して入学したが、最後の夏もベンチ入りは難しいと悟った。下宿で一人、考えた。

 下級生の時、敬語を使いこなしながらお客さんを監督室やグラウンドに案内する先輩たちの姿が格好良かった。自分も接客を買って出た。暑い夏の日、外で練習を見るお客さんのお茶に、氷を追加して監督から褒められたことも。「自分の力をチームに生かすならマネジャーだ」

 裏方に回ると、島根大会を前に「応援で保護者たちと一体感を持ちたい」と思った。保護者会で配るため、応援の流れや振り付けをA4判1枚にまとめた。

 大会ではスタンド一体の盛り上がりが選手に好評だった。保護者たちに「皆さんの協力があったからこそ勝てました」と感謝のLINE(ライン)を送った。

 声をからして応援したこの日。涙を目に浮かべながら「甲子園に連れてきてくれた選手たちに感謝です」と語った。卒業後はホテルマンを目指し、専門学校に入学しようと思っている。細やかな気遣いで人を喜ばせるのが目標だ。(有田憲一)