(11日、高校野球 広陵10―6中京大中京)

■広陵・中村奨成

 一振りで試合の流れを一変させた。

 2点を追う六回1死。代わったばかりの相手投手の6球目をとらえた。外角高めの142キロを逆らわずに振り抜くと、打球は右中間へ。高校通算39本目にして初めてという逆方向への本塁打は「いままで打った中で一番気持ちよかった。何としても流れが欲しくて、つなぐ気持ちだった」。

 チームが逆転すると、今度は守備。「あまり褒めるのが好きじゃない」と言う中井監督が「肩の強さ、捕ってからの速さ、コントロールは群を抜いている」とほれ込む捕手は、六回無死一塁で相手が試みた犠打のゴロをつかむと遠投120メートルの強肩で二塁へ矢のような送球。封殺で相手に反撃機を作らせなかった。

 驚いたのは2本目の本塁打。八回、今度は右翼ポール際に運んだ。

 広島大会で右手首に死球を受け、一時は打順が9番に下がった。痛みでバットを振れないときに、中堅返しを心がけるように考えたという。「右方向は狙わなかったけど、逆方向に強い打球が打てるようになった」。ケガの功名とも言える2本塁打だった。(上山浩也)

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 ○佐藤(広) 代打で登場し、2打席目に左中間へ2ラン。中井監督とハイタッチし、言葉もかけられたが、「うれしさのあまり、覚えてません」。