(11日、阪神8−1DeNA)

 七回1死一塁で打席に迎えたのは、DeNAの代打後藤。7点のリードがあるとは言え、阪神の岩田にとっては走者をためたくない。初球を引っかけさせた。大和の好守備で併殺を完成させると、拍手をするようにグラブをたたき、左拳を握った。「最高ですね。助かってます」

 練習前、球団が「メッセンジャーは右足腓骨(ひこつ)の骨折」と報道陣に発表した。前日の巨人戦でライナーが右くるぶし付近を直撃し、交代していた。チームトップの11勝を挙げ、開幕投手も務めた右腕の離脱。本人も「みんなにはクライマックスシリーズ、日本シリーズ出場をめざして頑張ってもらいたい」と談話を出し、レギュラーシーズン中の復帰は厳しそうだ。

 今、先発投手陣が危機的な状況を迎えている。9勝の秋山も前回登板で右太ももの張りを訴え、緊急降板。昨季10勝と飛躍した左腕の岩貞は、制球が改善されない。3人とも出場選手登録を抹消されている。

 抜けた穴が大きいほど、全員でカバーするしかない。この夜は野手も、先発全員安打で応えた。昨季は未勝利で、背水の覚悟を胸に今季を送っている岩田は言う。「チーム一丸で、ランディ(メッセンジャー)が戻ってくるような試合までいけるように」。金本監督も「俺が絶対埋める、というものを今日の岩田には感じた」とたたえた。

 ピンチをチャンスに。それが首位の広島をしつこく追うためのテーマだろう。(井上翔太)