水濠(すいごう)を飛び越えるはずが、あれ?ない――。

 ロンドンで開かれている陸上の世界選手権で11日、女子3000メートル障害決勝で、先頭を走っていたケニアのベアトリス・チェプコエチ(26)が、最初の水濠に向かう走路をひとり外れるハプニングがあった。同選手は、15メートルほど走り抜けた後にコースを間違えたことに気づき、慌ててトラックを逆走して正規コースに戻った。そこから先頭集団を猛追した同選手は4位に食い込んだ。

 レースはリオデジャネイロ五輪銅メダルのコバーン、新鋭のフレリクスと、大会史上初めて米国勢がワンツーフィニッシュした。

 3000メートル障害は、約80メートルおきに置かれた障害を28回、水濠を7回越えてゴールを目指す種目。チェプコエチの勘違いはレース序盤の最初の水濠で起きた。

 今大会の水濠は、トラック外周から内側に切れ込んだフィールド内に設置。スタートから先頭に出たチェプコエチは、トラック外周をそのまま走り抜けてしまい、気づいた時にはライバルたちが水濠を次々と飛び越えていた。

 チェプコエチは昨夏のリオ五輪で4位。今回はメダル獲得の絶好のチャンスだったが、またしても4位。タイムは9分2秒58の大会新記録で初優勝したコバーンから約8秒遅れの、9分10秒45だった。

 国際陸上競技連盟(IAAF)のレースレポートはそんな彼女に同情するように、「およそ3030メートルを走り抜いての4位はたいしたもの。歴史的な米国勢のワンツーフィニッシュとともに、今後何年もこの珍事は語り継がれるだろう」と伝えた。