(17日、巨人6―1DeNA)

 ひょうひょうと投げていた巨人の畠がほえた。初安打を許した六回、2死二、三塁でリーグ打点トップのロペスを抑えた場面だ。

 チェンジアップを4球続けてカウント2―2。荒い呼吸に肩が上下する。疲労の色は明らかだったが、5球目、力いっぱいの147キロでバットに空を切らせた。「ヨッシャ」。おおらかで普段は感情が顔に出ない23歳も、この一球には力強く拳を握った。

 ともに65勝62敗の同率3位で迎えた最後の直接対決、クライマックスシリーズ(CS)進出に向けた大一番を任された。しかも、相手の先発は同じ新人で、9勝を挙げている浜口。「アイツより先にマウンドを降りてたまるか、という思いでした」。同期への対抗心も力に変えた。1死満塁で打席に立った五回には、プロ24打席目で初安打を放ち、初打点を記録。ヒーローインタビューで「ナイスバッティングでした」と3回も繰り返した。

 近大からドラフト2位で入団したが、ドラフト後に右ひじの手術を受けるなど出遅れ、7月にプロ初先発を果たした。同月19日に初勝利を挙げると、今や菅野、マイコラス、田口に次ぐ4本目の立派な柱に育った。残り12試合、新人右腕の活躍でチームは11年連続のCSに大きく近づき、高橋監督は「きのう負けた中で、勝てたのは大きい」とうなずいた。(波戸健一)