100回の記念大会で100勝目を――。春夏の甲子園で全国最多74回目の出場となった龍谷大平安(京都)が、11日第1試合の鳥取城北戦で春夏通算100勝目を狙う。勝利を積み上げてきたOBらも「またとない巡り合わせ」と期待をかける。

 龍谷大平安は一昨年春に99勝目を挙げた後、甲子園から遠ざかっていた。今夏を前に自身もOBの原田英彦監督(58)は「歴史を考えれば、100回大会は譲れない」と心を決めた。

 7月初め、選手らに「この夏、壊れるからな」と宣言。笑顔を見せない厳しい監督から一変した。京都大会ではガッツポーズを見せ、ベンチに戻る選手にはグータッチ。チームは気持ちがのり、全6試合で75安打70得点と打線を爆発させて優勝した。「100回で100勝できる巡り合わせなんてもうない。絶対達成するという強い気持ちだ」と原田監督。

 初勝利は91年前。前身の平安中が夏の13回大会(1927年)で甲子園初出場。台北商(台湾)から1勝目を挙げた。初の全国制覇は夏の24回大会(38年)。3回目の優勝をした38回大会(56年)では5勝を積み上げ、決勝で42勝目に。当時遊撃手だった荒川毅(たけし)さん(79)は「平安という名門を背負ってつらい練習を乗り越え、よく99勝まで到達したと後輩たちに感謝している。1勝への思いはどこよりも強いはず」と期待する。38回大会には東京の早稲田実も出場し、元ソフトバンク監督の王貞治さんが1年生ながら登板していた。

 ただ、80年代は春夏で一つの白星もなかった。16年ぶりに勝利したのが夏の72回大会(90年)。初戦で72勝目に貢献した当時のエース西村基治さん(45)は「100勝は通過点。先輩が積み上げた勝利を101、102と重ねてほしい」と先を見据える。

 21世紀に入り、龍谷大平安として夏の91回大会(2009年)に出た松田龍篤(りゅうま)さん(26)は初戦に代打で二塁打を放ったが、91勝目はならなかった。「伝統の『絶対的な守備』を受け継ぎ99勝がある。格好いいプレーで100勝し、さらに上を目指してほしい」

 2000年生まれの主将、松田憲之朗(けんしろう)君(3年)は、その松田さんの弟。甲子園でプレーする姿に憧れ、兄の道を追いかけた。「先輩が作ってこられた歴史の重みを感じながら100勝を狙う」と試合に臨む。

■鳥取城北「注目ありがたい」

 対戦する鳥取城北は今回で甲子園6回目の出場で、通算1勝。山木博之監督(43)は「100回で龍谷大平安さんの100勝がかかる試合をやれるのはとてもうれしい。当然注目されるが、逆にそれをありがたく受け止めて向かっていきたい」と6年ぶりの夏1勝を目指す。(川村貴大、国方萌乃、鈴木峻)