野球の明治神宮大会が9日、開幕する。秋季大会の各地区優勝校10校が出場する高校の部は、今年の春夏の甲子園で力を見せた星稜(北信越・石川)を軸に、秋の頂点を争う。

 星稜は投打に戦力が整っている。柱はエースの奥川恭伸(2年)。最速150キロの右腕は、9月にあったU18(18歳以下)アジア選手権の日本代表に2年生でただ一人選ばれた。完成度は全国屈指だ。

 さらに左腕の寺沢孝多(2年)、1年生右腕の寺西成騎、荻原吟哉ら力のある投手が控え、この秋の公式戦の1試合平均失点を1点にとどめた。打線も内山壮真(1年)ら、夏のレギュラーが多く残り、1991年以来となる神宮制覇を狙える。

 対抗するのは、投手力の高い広陵(中国・広島)か。エース河野佳(2年)は、今夏の甲子園のマウンドも経験。140キロ台の直球を打者のひざ元に集めるコントロールが光る。2年生左腕の森勝哉、石原勇輝も甲子園メンバー。球威、制球力で河野にひけをとらない。

 中国大会準決勝では、この夏の甲子園で注目された創志学園(岡山)の150キロ右腕、西純矢(2年)に対し、手堅くバントで攻めて攻略。硬軟自在な攻撃ができる打線もレベルが高い。

 星稜と広陵は互いに初戦となる10日の2回戦でぶつかる。

 打力なら東邦(東海・愛知)も魅力的だ。今春の選抜大会で注目の打者となった主将の3番石川昂弥(2年)は長打が打て、打率も残せる。つなぎもできる熊田任洋(2年)が4番に座り、ビッグイニングを作れる。東海大会準決勝は九回に5点差を追いつき、中京学院大中京(岐阜)にサヨナラ勝ち。秋の県大会からは、1試合平均9・25得点を記録してきた。

 大会を経て成長してきたチームも面白い。龍谷大平安(近畿・京都)は、京都3位から激戦区・近畿を制した。この夏の甲子園を1番打者として経験した主将の水谷祥平(2年)が4番に座る打線は、公式戦を重ねるごとに勝負強くなっていった。

 勢いなら、桐蔭学園(関東・神奈川)も負けていない。主将の森敬斗(2年)は関東大会1回戦の常総学院(茨城1位)戦の逆転サヨナラ満塁本塁打を含め、勝負どころで3本塁打。チームを初の神宮大会に導いた。

 初出場組では、筑陽学園(九州・福岡)が粘り強い。九州大会で2度の延長戦を競り勝ってきた。札幌大谷(北海道)も勝負強さがある。北海道大会準決勝の駒大苫小牧戦で4点差を追いつき、延長十回の接戦を制して勝ち上がった。

 星稜をはじめ、出場校4校が神宮大会の優勝経験校。1990年以来の優勝を狙う国士舘(東京)は、4番の鎌田州真ら1年生の活躍が目立つ。2011年以来、7年ぶりに秋の頂点をうかがう八戸学院光星(東北・青森)は、打線が活発だ。15年に優勝した高松商(四国・香川)は、三振を奪える左腕の香川卓摩(2年)を中心に伝統の堅守が光る。(小俣勇貴)