真っ赤な2階建て車両で知られるロンドンのバスが、過去2年間で25人の死者と約1万2千人のけが人を出す事故を起こしていたことが、ロンドン議会が17日に公表した報告書で明らかになった。

 ロンドンのバスは運転が荒いことで知られる。報告書によると、死者の3分の2が歩行者。けが人は2015年が5700人、16年が6100人に上り、その多くが乗客で、急ブレーキで転ぶなどしたという。

 背景には、運転手が定刻を守ろうと急ぎすぎる事情がある。バス事業者はロンドン交通局と運行契約を結ぶが、定時運行を守る事業者ほど収入が多くなる仕組み。報告書は「定時運行を重視しすぎることが、ロンドン市民の安全性を危うくしている」と言及。交通局には「事業者に安全運行の目標をつくらせてほしい」と求めた。

 地下鉄運賃が高いロンドンでは、バスは重要な交通手段で16年の利用者はのべ23億人。ただ、報告書によると、ロンドンのバスの安全性は14年時点で世界の15の中・大都市の中で最下位だったという。(ロンドン=榊原謙)