国連安全保障理事会が北朝鮮に対する新制裁決議を採択したことを受け、米中韓と北朝鮮が6日、フィリピン・マニラで開かれている東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の外相会議で思惑をぶつけた。中国と米国との隔たりはなお大きく、核・ミサイル開発を止める道筋は見えていない。

 「安保理が有効かつ着実に実行できる決議を打ち出すことは重要だ」

 中国の王毅(ワンイー)外相は6日、記者団の前でこう述べる一方、中国が制裁を徹底していないとの批判が強まっていることを踏まえ、「中国こそ全面的に決議を実行している」と反論した。

 新決議の大きな柱は北朝鮮産石炭の全面禁輸だが、中国は昨年の制裁を踏まえ、すでに年内の輸入停止を決めている。当面の対応として受け入れ可能との計算があったとみられる。国連安保理制裁に応じることで、米国が単独制裁などに走らないよう、つなぎとめておく狙いもありそうだ。

 中国は、ティラーソン国務長官が1日、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)体制の転覆や38度線北側への米軍派遣などを「模索しない」と述べたことを重視。新制裁採択に際し、米国がこの発言を「政策に具体的に反映させることを望む」(劉結一・国連大使)と求めた。ロシアも「米国務長官の約束に偽りがないことを期待する」(ネベンジャ国連大使)と同調。中国外務省によると、王氏は6日、北朝鮮の李容浩(リヨンホ)外相との会談で、ティラーソン氏の発言を念頭に「関係国から示された積極的な信号をつかむべきだ」と述べ、北朝鮮側にも歩み寄りを求めた。