トランプ米大統領は10日、ロシアのプーチン大統領が米国による制裁強化への対抗策として米外交官ら755人を追放する方針を打ち出したことについて、「プーチン氏に感謝したい。人件費の削減になる」と述べた。

 7月、米議会がロシアへの制裁強化を可能にする法案を可決したことなどに対し、プーチン氏が対抗措置として、ロシア国内の米外交代表部のスタッフらを追放する考えを示していた。

 この問題について、トランプ氏は記者団に「プーチン氏が多くの人員を退去させることに非常に感謝している。彼らを帰国させる理由がなかった。我々は多くの人件費を削減できるだろう」と語った。

 自身が目指したロシアとの関係改善が行き詰まる中、議会主導の制裁強化が招いたロシアによる対抗措置について、トランプ流の皮肉を使って問題ないことを強調した形だ。

 米国の制裁強化法案は、ロシアによる米大統領選への介入やウクライナ南部クリミア半島併合に対するもの。オバマ政権下ですでに実施されている制裁の対象に石油や天然ガス関連プロジェクトなどを追加できるようになった。トランプ氏は消極的だったが、上下両院が圧倒的多数の支持で議決したため、トランプ氏は今月初めに渋々と署名し、成立した。(ワシントン=土佐茂生)