米東部バージニア州シャーロッツビルで12日、集会を開いた白人至上主義グループと、対抗デモを行った反対派が衝突した。反対派が集まっているところに車が突っ込んで1人が死亡、19人が負傷した。さらに警戒中の警察のヘリコプターが墜落し、警官2人も死亡した。

 集会は、こうした趣旨のものとしては「数十年来で最大規模」(ワシントン・ポスト紙)。トランプ大統領は「憎悪と分断はもう止めなければならない」と述べたが、「米国第一主義」を掲げるトランプ氏の登場で、白人至上主義グループが勢いづいていることが事件の背景にありそうだ。

 集会を開いたのは、人種差別を隠さない「アルトライト」や白人至上主義団体クー・クラックス・クラン(KKK)、ネオナチなどの数百人。シャーロッツビルでは、奴隷制存続を主張して南北戦争を戦って敗れた南部側の英雄の銅像撤去が計画されていた。これに抗議しようと集会が呼びかけられ、参加者らは「米国を(白人の手に)取り戻せ」などと訴えた。

 これに対し、黒人の権利擁護や反ファシストを訴えるグループが対抗し、数百人が取り囲むように抗議活動を展開。双方の参加者らの中にはヘルメットや防弾チョッキを着用し、盾を持つ重装備の人たちもおり、大勢が棒や素手で殴り合う衝突が起きた。

 バージニア州のマコーリフ知事は緊急事態を宣言。警察当局は白人至上主義グループに「不法集会」として解散を命じたが、その後、反対派に車が突っ込んだ。意図的に突っ込んだ可能性が高く、警察は車を運転していた男を第2級殺人の疑いなどで逮捕した。

 トランプ氏は12日午後、「我々はすべての憎悪に対して結束し、非難しなければならない」とツイート。その後、記者会見で「各方面による憎悪や偏見、暴力を可能な限り最も強い言葉で非難する」などと述べた。ただツイートが遅かったことや、白人至上主義グループに的を絞った非難ではなかったことから、批判も上がっている。(ニューヨーク=鵜飼啓)