韓国政府が、27日に板門店で開く南北首脳会談で、経済協力を議題にしない考えを日米など関係国に伝えた。複数の外交筋が明らかにした。経済協力の前提になる非核化問題に集中し、6月初めまでに開かれる見通しの米朝首脳会談につなげたい考えとみられる。

 外交筋によれば、韓国は関係国に対して、「現時点で経済協力を議題として取り上げる考えはない」と説明。会談を準備する関係省庁協議にも、経済官庁は参加していないとした。韓国政府関係者も会談で主に扱うのは、(1)朝鮮半島の非核化(2)平和定着(3)南北関係改善だとしている。

 韓国内には、2016年2月に閉鎖した開城工業団地事業や08年7月から中断している金剛山観光事業の再開を望む声も強い。しかし27日の首脳会談では、南北の協力については国連制裁決議などを尊重して経済協力には踏み込まず、人道問題や文化交流などにとどめる見通しだ。

 韓国は北朝鮮の核開発問題で可能な限り前進し、米朝首脳会談に結びつけたい考え。民族の和解や経済協力が柱となった00年と07年の南北首脳会談とは異なり、今回は「米朝首脳会談の予備会談」(外交筋の一人)の色彩が強まりそうだ。ただ、米韓の間では、南北と米朝の両首脳会談をめぐる戦略のすり合わせが停滞している模様だ。

 韓国と北朝鮮は17日現在、正式な議題を決めるには至っていない。韓国は高官協議を開いて議題を詰めたい考えだが、北朝鮮は応じていない。(ソウル=牧野愛博)