南米コロンビア各地で増税に反対する市民らのデモ隊に治安部隊が発砲し、現地報道によると、4日までに19人の死亡が確認された。80人以上の行方がわからず、けが人は800人近くにのぼるという。国連などは「治安部隊が過剰に暴力を用いている」として非難している。政権は増税策を撤回し、財務相が辞任したが、混乱は続きそうだ。

 コロンビア南西部カリで4日未明、治安部隊とデモ隊が衝突した。現地報道では、治安部隊員が宿泊するホテルの1階部分に火が付けられて炎上したほか、デモ隊が幹線道路や空港を封鎖した。これに対し、治安部隊は催涙弾を放つなどした。カリでの衝突では、この日までに11人の死亡が確認されている。

 デモは4月28日から、国内各地で始まった。コロナ禍で景気が低迷して失業が広がる中、政権が「最貧困層の支援拡充のために歳入を増やす必要がある」として増税を含む税制改革案を国会に提出したことがきっかけだ。大部分は平和的な行進をしたが、一部が暴徒化。銀行やバスが燃やされたり、商店が略奪されたりした。

 ドゥケ大統領は都市部の治安回復のため軍を駐留させると発表したが、市民からのさらなる批判を招いた。政権は税制改革案を撤回し、税制改革を主導した財務相も3日、辞任した。