【愛知】建物への入館時にオゾンガスを吹きつけ、人体や衣服からウイルスを取り除く「オゾンゲート」の引き合いが、沖縄県で相次いでいる。開発したのは、愛知県豊橋市のベンチャー企業。離島などで、ウイルス侵入を水際で防ぎたいという需要が増えているという。

 高電圧で発生させたオゾンガスを噴霧ゲートから吹きつけ、払い落としたウイルスを反対のゲートから吸い込む仕組み。4月末に開館した那覇市の空港利用客用ラウンジで採用されたほか、5月には新石垣空港と石垣港の旅客ターミナルに導入予定。みやこ下地島空港でも導入が決まっている。

 オゾンゲートを開発した「o3peace(オースリーピース)」は、豊川市出身の萩原祥志(よしゆき)社長(42)が昨秋に起業した。

 元々は香港が拠点の個人商社で、日本の町工場の技術を生かせないか模索していた。そんな時に出会ったのが、豊橋市の町工場でオゾン機器を手がけていた今井敬順(たかよし)さん(43)。ちょうど新型コロナウイルスの感染が広がり、香港とも行き来できなくなっていた。「オゾンをコロナ対策に生かせないか」と二人三脚でアイデアを具体化していった。

 萩原さんは、18〜29歳のときにバックパッカーとして60カ国以上を渡り歩いた経験がある。国内で期間工として3カ月ほど働き、お金がたまると1年間ほど旅に出るくり返し。スペインなどで気に入った街があると、働きながら1、2カ月間滞在して、土地の生ハムを味わった。

 そんな中で覚えているのが、ドイツやフランスの医療現場や浄水場で、オゾンが当たり前に消毒に使われていることだった。日本でも救急車の中ではオゾン発生機が使われているが、認知度はまだ低い。「オゾンガスは高濃度で吸い続けると有害だが、注意して使えばコロナ対策に有効という学術論文は増えている」と萩原社長は話す。

 オゾンゲートを手軽に体感してもらうため、萩原社長は5月中に、豊橋駅に近い水上ビル内に「オゾンラボ」を開設する。ラボではオゾン発生機などのo3社の製品も体験できる。キャンプカーやコインランドリーで使えるオゾン装置など、アイデアは広がっている。

 一方で、萩原社長がめざすのが、香港国際空港やシンガポール・チャンギ国際空港へのオゾンゲート導入だ。「世界を代表するハブ空港だし、ショッピングやレストランも一流店ぞろい。コロナ以前の人の往来を取り戻す手助けをしたい。実は自分が一番、海外旅行を再開したいのですが」(本井宏人)