6月4〜5日に新潟県内の14市町村で行われる東京五輪の聖火リレーボランティアが足りない事態になっている。募集締め切りが今月9日に迫る中、約3千人の募集に対し、応募者は約900人。募集期間は延長しないといい、県は「一人でも多くの人に応募してほしい」と呼びかけている。

 ボランティアは沿道で観客の整理や車両の迂回(うかい)案内などを担う。県は観客に自粛要請は出さないが、他県では一部区間で客が殺到し「密」になっている事例もある。ボランティアは「密」の防止を呼びかけるなどコロナ禍の聖火リレーを成功させるのにかかせない存在だ。県は当初、沿道10メートルおきにボランティア1人を配置する計画で、約3千人を目標に募集していた。

 だが、今月5日現在で集まったボランティアは3分の1に満たない914人。特に金曜日の6月4日が少なく、柏崎市や村上市は100人以上不足する。

 県は新型コロナウイルスへの不安が一因とみる。他県のリレー状況から計画を見直し、沿道に配置する人員を減らすなど、必要人数を約2千人に変更。県や市町村の職員にも参加を呼びかける予定だが、それでも約700人足りない状況だ。

 9日の締め切りまでに予定人数に達しない場合でも応募期間の延長や追加募集はしないという。説明会の日程がとれず、人員配置計画の策定に時間がかかるためだ。沿道に配置するボランティアの間隔を広げるといった対応を検討する。

 県スポーツ課の小林武郎さんは「聖火リレーを安全に実施するにはボランティアが非常に重要。感染対策を徹底するので、安心して参加してほしい」と呼びかける。応募は県ホームページの申し込みフォーム(https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/kenminsports/volunteer.html)や所定の用紙で郵送やファクスにより申し込む。

 他県の状況はどうなっているのか。3月28日に聖火リレーがあった栃木県上三川町では150人の募集に対し、80人ほどしか集まらなかった。当初は沿道に1メートル間隔で立ってもらう予定だったが2メートルに広げ、乗り切った。生涯学習課の担当者は「新型コロナウイルスの感染を恐れた人が多かったようだ」と話す。

 一方、聖火リレーの出発点となった福島県は130人の募集に対し、定員を上回る応募があった。県オリンピック・パラリンピック推進室の担当者は「競技会場があり、機運が高まっていた」と説明する。野球・ソフトボールの開催に向け、大会延期が決まる前から都市ボランティアを募って研修を実施。1700人の都市ボランティアに声を掛けたところ、スムーズに集まったという。(宮坂知樹、西村奈緒美)