静岡県で4人が殺害された事件で、死刑が確定した袴田巌さんの再審(裁判のやり直し)開始を東京高裁が認めたことに関し、鹿児島県内の支援者らが17日、特別抗告しないよう求めて鹿児島地検前で声を上げた。
検察に特別抗告断念を求める全国一斉行動の一環。1979年、男性の遺体が見つかった大崎事件で、殺人罪で服役後も無実を訴えている原口アヤ子さん(95)の再審請求を支援している人ら約15人が集った。
参加者は鹿児島市山下町の地検の庁舎前に並び、「検察は抗告断念を 再審妨害もうやめて」などと書かれた紙や横断幕を手にアピール。「袴田さんは87歳。これ以上、裁判手続きで苦しめないで」「検察は再審公判で正々堂々と主張を」と訴えた。
主催した日本国民救援会県本部の野元幸一事務局長は「袴田事件で再審が開始されれば、原口さんの再審に向けて追い風になるはず」と期待を込めた。(仙崎信一)