【2017年7月20日 星ナビ編集部】

レポート:梅本真由美さん

「HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-」などの作品で知られる上坂浩光監督が代表をつとめる制作会社(有)ライブが創立20周年を迎えた。それを記念してライブはこの5月、東京都足立区のギャラクシティでフルドーム作品上映会「宇宙の中のわたしたち」を開催。「HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-」のほか、5作品を連続上映した。

上坂監督は1997年にライブを設立。企業から受注したCGやエンターテインメント系の映像を多く手がけてきたが、設立10年目の2007年に大きな転機が訪れた。「HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-」の制作である。自ら企画し初監督をつとめたこの作品は「はやぶさブーム」の火付け役となり、全国各地のプラネタリウム館で上映され、世界的にも評価されて数々の賞に輝いた。ドームでの上映は久しぶりだが、会場のあちこちから目頭が熱くなった人たちのすすり泣きが聞こえてきた。

「HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-」を鑑賞
2009年に公開された「HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-」を鑑賞。これまでの科学映像作品の常識を越え、新たなジャンルを確立した作品だ(撮影:星ナビ編集部、以下同)

作品上映の合間には作品関係者によるトークショーが行われ、小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトマネージャ・川口淳一郎シニアフェロー(JAXA)、「はやぶさ2」のプロジェクトマネージャ・津田雄一准教授(JAXA)、HAYABUSAシリーズでナレーションをつとめた俳優の篠田三郎さん、天文学者の佐治晴夫さん、宙先案内人の高橋真理子さんなどがゲスト出演した。

トークショー 出演者
(1枚目)歴代の作品をトークショーで振り返る。2012年公開の「Eternal Return -いのちを継ぐもの-」は、宇宙で繰り返される“星の生と死”、私たちに繋がるいのちの物語。星ナビでは2013年1月号から4月号まで4回にわたって、研究者の解説で作品を読み解く特集を掲載した。(2枚目)出演者の豪華な顔ぶれに注目!左上:川口淳一郎さん、右上:津田雄一さん、左下:篠田三郎さん、右下:上坂浩光監督。HAYABUSAシリーズでナレーションをつとめた篠田三郎さんは、ぶっつけ本番で、映像に合わせた生ナレーションを披露

新旧はやぶさのプロジェクトマネージャ、川口淳一郎さんと津田雄一さんの初対談では、川口さんは若手が率いる現プロジェクトに期待を表明し、津田さんは来年の夏に迫った「はやぶさ2」の小惑星到着に向け意欲を示した。

嬉しいハプニングも続出した。明石市立天文科学館のブラック星博士とシゴセンジャー、そして井上毅館長から「気持ちだけでも駆けつけたい」と、お祝いメッセージのビデオレターが届き、会場で披露された。また、別会場で学術会議に出席中の吉川真准教授(JAXA)へステージ上から電話をかけ、スマホ越しの声をマイクで即席中継するという一幕もみられた。

上坂監督は、「いろんなチャンスに恵まれ、たくさんのファンや協力者とともにここまで歩んできた」と20周年の思いを語り、イベントを締めくくった。

上坂監督とライブの次なる歩みは、もうすでに始まっている。次回作である「HORIZON 〜宇宙の果てにあるもの」が完成し、上映を待つばかりとなった。「宇宙の果て」を探る人々の想いを描いた壮大な物語だ。公開が持ち通しい。