【2017年8月4日 ヨーロッパ南天天文台】

ヨーロッパ南天天文台のVLTサーベイ望遠鏡(VST)に搭載された広視野可視光線カメラ「OmegaCAM」が撮影した、壮大で美しいオリオン座大星雲とそこに存在する若い星団の画像が公開された。オリオン座大星雲は約1350光年の距離にある、私たちから最も近い星のゆりかごの一つで、小質量星から大質量星まで様々な星が誕生している星生成領域だ。

オリオン座大星雲と若い星団
VSTがとらえたオリオン座大星雲と若い星団(提供:ESO/G. Beccari、以下同)

VSTは美しい星雲をとらえただけではなく、観測により星の明るさと色の正確なデータを取得した。データをもとにヨーロッパ南天天文台のGiacomo Beccariさんたちの研究チームが星の質量と年齢を調べたところ、それぞれ年齢が異なると思われる星々が3つの系列に属していることが明らかになった。「データを初めて見た瞬間に、天文に携わる研究者人生で1度か2度しかないと思うほどの驚きを感じました。OmegaCAMによる素晴らしく質の高い画像から、間違いなくオリオン座大星雲の中心に、明らかに異なる3つの年代の星々が存在していることがわかったのです」(Beccariさん)。

世代ごとに色分けされた星
世代ごとに色分けされた星。(青)最年長の星、(赤)最年少の星、(緑)中間の年齢の星

「これは重要な成果です。星団の若い星々が一斉に作られたのではないという事実を目の当たりにしているのです。星団の星生成に関する理解に修正を加える必要があるのかもしれません」(ヨーロッパ南天天文台 Monika Petr-Gotzensさん)。

星の自転速度やスペクトルの観測結果からも、星の年齢に違いがあることが示されている。過去300万年の間に起こった3回の爆発的な星生成でそれぞれのグループの星が誕生したものと思われ、オリオン座大星雲における星形成が、これまで考えられてきたよりもはるかに速いペースで爆発的に進んでいることを強く示唆している。