【2017年8月10日 Fermilab/NASA JPL】

米・フェルミ国立加速器研究所のダークエネルギー・サーベイ(DES)研究チームが行った研究で、現在の宇宙におけるダークマターの量と分布がこれまでで最も正確に観測された。観測衛星「プランク」による宇宙マイクロ波背景放射の観測に匹敵する精密さのデータが得られている。

DESは主に、チリのセロ・トロロ汎米天文台ブランコ4m望遠鏡に設置されている570メガピクセルのダークエネルギーカメラで観測を行っている。今回発表されたダークマターの分布図は全天の30分の1の領域をカバーしたもので、重力レンズ効果を利用して2600万個の銀河の形を正確に観測し、数十億年にわたるダークマターのふるまいのパターンを直接マップ化している。全天の8分の1をカバーしたさらに詳細なマップ作りも進行中だ。

ダークマターの分布図
ダークマターの分布図。(赤)平均よりダークマターの多い領域、(青)ダークマターの少ない領域(スケールバーは10億光年を示す)(提供:Chihway Chang of the Kavli Institute for Cosmological Physics at the University of Chicago and the DES collaboration.)

今回の研究成果は、宇宙の26%をダークマターが占めており、宇宙の加速膨張を引き起こしているダークエネルギーが宇宙の70%を構成しているという、プランクの観測結果に基づいた説を支持するものとなっている。「プランクの観測から予測される結果と7%以内の誤差で一致することがわかった瞬間は感激しました」(英・エジンバラ大学 Joe Zuntzさん)。

「初期宇宙の観測から明らかになっている過去の宇宙と同じくらい詳細に、現在の宇宙の構造を見ることが初めて可能になりました。多くの予測を確認しながら、宇宙がたどってきた進化の道を追うことできます」(フェルミ国立加速器研究所 Scott Dodelsonさん)。

「まだデータの表面を引っかいたような段階にありながら、DESによって重要な発見と観測成果がもたらされました。今後数年のうちにダークエネルギーへの理解が進むことでしょう」(フェルミ国立加速器研究所 Nigel Lockyerさん)。