【2017年9月13日 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構】

通常の10倍から100倍明るく輝く超新星は「超高輝度超新星」と呼ばれ、その輝きのメカニズムとして

・ニッケルの放射性同位体「^56Ni」を大量に含むという「電子対生成不安定モデル」

・超高速回転をし極度に磁化した中性子星であるマグネターが強い電磁波を放射するという「マグネターモデル」

・超新星爆発時の噴出物が爆発直前に放出していた大量のガスと激しく衝突するという「衝突モデル」

が提唱されている。

超高輝度超新星の爆発過程の想像図
超高輝度超新星の爆発過程の想像図。「衝突モデル」、「マグネターモデル」、「電子対生成不安定モデル」の3つ(提供:Kavli IPMU)

東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構のAlexey Tolstovさんらの研究グループは、2016年5月に16億光年彼方の暗い矮小銀河に出現した超高輝度超新星「Gaia16apd」に注目し、3つのモデルのうちどれに適合するかを調べた。Gaia16apdには異常に強い紫外線放射が見られ、その強度は可視光線の3〜4倍にもなるという特徴がある。

シミュレーションで紫外線、可視光線、赤外線の各波長の光度曲線や、光球半径と爆発の速度が観測に合うかどうかを調べたところ、Gaia16apdは3つのモデルのうち「衝突モデル」で輝く超高輝度超新星である可能性が最も高いことが明らかになった。

研究チームではさらに各モデルの紫外線放射を計算する方法を開発しており、観測された超高輝度超新星がどのモデルに即しているのかを特定する研究に役立つものとなる。「超高輝度超新星の物理をより明確に理解する新たな一歩となることに加え、爆発のシナリオを特定する鍵になると思います」(Tolstovさん)。

次の段階として他の超高輝度超新星でもシミュレーションを試行し、非対称な爆発の詳細やマグネターに関する物理も考慮に入れた、より現実に近いシミュレーションを計画中である。