【2017年10月13日 花山天文台の将来を考える会】

報告:杉野文昂さん(花山天文台の将来を考える会)

(「星ナビ」2017年11月号掲載記事)

京都駅から車で15分ほど、清水寺の裏に広がる東山(ひがしやま)の中、花山山(かざんやま)の山頂に花山天文台があります。京都大学大学院理学研究科付属の施設であり、1929年の設立以来、日本の天文学研究の隆盛を強く牽引してきました。また、アマチュア天文家との活発な交流を通して、そのすそ野を広げ世界一ともいわれる日本のアマチュア天文界の発展にも貢献してきました。火星観測や太陽観測研究における顕著な功績も残しており、学問の芽を育て、研究者とアマチュア天文家を育ててきた貴重な天文台です。

しかし京都大学が来年度、3.8m望遠鏡を有する天文台(岡山に建設中)を維持するための予算を国に申請したところ、花山天文台の閉鎖という条件が付きました。そこで、引き続き花山天文台を存続し維持するための費用(年間1000万円)を集めることになりました。台長の柴田一成先生は、天文学を文化として根付かせてきたかけがえのないこの資産を将来にわたって有効に活用するため、多くの市民が参加した支援グループを立ち上げ、新たな将来計画を策定中です。

天文台外観と柴田台長
(左)京都大学大学院理学研究科付属花山天文台。90年以上にわたって日本の天文学研究のさきがけ、拠点として運用されている。(右)「現在立ち入り禁止となっている花山天文台を、宇宙の神秘と自然の摂理をテーマにした、入場料を払えば誰でも遊べる、学べるそして夜間観望会のできる宇宙テーマパークにしたいと思っています」と将来計画を語る柴田一成台長

その計画のひとつが、この春から継続的に開催している「金曜天文講話」です。19世紀の偉大な科学者マイケル・ファラデーは、小学校の課題図書にもなっている名著『ロウソクの科学』で知られるように、一般への科学普及の面でも先駆者でもありました。彼は毎週金曜の夜、一般市民向けに「金曜講話」と呼ばれる講演会を行っていました。市民への科学普及の先駆けであるこの講演会は好評を博し、かつその参加料収入はファラデーの研究の助けとなりました。

金曜天文講話
毎週金曜日の夜に行われている「金曜天文講話」。参加費の一部を京大花山天文台の運営費として活用する

花山天文台の金曜天文講話は、ファラデーの例にならい毎週金曜日の夜、京大の天文学者が最先端の天文学の研究成果を市民向けにわかりやすく講演し、参加者からの寄付あるいは参加費の一部を天文台の運営費に活用することを目的としています。天文台への支援を兼ね、最新宇宙研究のわくわくする話を聴いて、いっしょにわくわくしませんか。

今、花山天文台は研究用の観測所としての役目から、子どもたちや市民への教育や天文学の普及を担う教育学習施設への進展を期待されています。興味をもった方は、天文台の活動にぜひご協力ください。

○クラウドファンディング 実施中!

・花山天文台で、「みんなの宇宙テーマパーク」を実現したい!

○金曜天文講話

その他詳細は「花山天文台の将来を考える会」ウェブページを参照ください。