【2017年10月13日 東京大学木曽観測所/NASA JPL】

米・ハワイのパンスターズ望遠鏡によって2012年に発見された「2012 TC4」は、直径10〜30mほどと推定される小惑星である。この2012 TC4が日本時間の12日14時42分、地球の中心から約5万kmの距離(地球から月までの距離の約13%)まで接近した。

こうした月軌道の内側を通過する直径10m以上の小惑星は、1年間に5件程度確認されている。このサイズの小惑星が地球大気に突入すると、燃え尽きずに地表に到達するため、2013年2月にロシアに落下したチェリャビンスク隕石のような災害をもたらす可能性がある。小惑星の監視体制を整えて天体を発見したり軌道を調べたりすることは、防災や被害軽減(スペースガード)の点できわめて重要だ。さらに、将来の衝突危険性がある天体の軌道を正確に求める技術を獲得するという観点からは、地球に影響を及ぼす心配がない既知の天体についても観測が重要となる。

東京大学木曽観測所の口径105cmシュミット望遠鏡では、2012 TC4が地球に最接近する前の10日と11日に小惑星の観測を行った。105cmシュミット望遠鏡は広い視野を持つことが特長で、空を高速に移動する天体の観測や、新しい天体現象を見つけるために空を広く探査する目的に適している。

以下に紹介するのは、望遠鏡に取り付けられた超広視野高速カメラ「トモエゴゼン」が撮影した画像から作られたタイムラプス動画だ。約15.5等級の2012 TC4の明るさが回転に伴って12.4分ほどの周期で変動する様子もわかる。

(Youtube動画)

10月11日に「トモエゴゼン」が撮影した小惑星「2012 TC4」の移動の様子(200倍速)。撮影時の距離は約42万km(提供:東京大学木曽観測所)

トモエゴゼンは105cmシュミット望遠鏡の広い視野全体を覆うように設計されており、両者の組み合わせによって広視野かつ高感度の動画観測が可能となる。来年予定されているトモエゴゼンの本格稼働により、これまで未発見だった多くの地球接近天体が見つかることが期待される。