【2017年11月24日 ヨーロッパ南天天文台/NASA JPL/NOAO】

10月19日に米・ハワイのパンスターズ望遠鏡による観測で発見された小天体は、その軌道から観測史上初の「太陽系外からやってきた恒星間天体」とみられており、「?Oumuamua(オウムアムア)」という名前が付けられた(参照:「観測史上初の恒星間天体、名前は「?Oumuamua」」)。

米・ハワイ大学天文学研究所のKaren Meechさんたちの研究チームが、ヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡VLTでオウムアムアを観測したところ、天体の明るさが7.3時間の周期で10倍も変化していることが明らかになった。変光の原因はいくつか考えられるが、Meechさんたちはオウムアムアが細長い形をしていて、自転に伴って明るさが変わると考えている。

オウムアムアの想像図
「オウムアムア」の想像図(提供:European Southern Observatory / M. Kornmesser)

オウムアムアは長さが400m以上で密度が高く、岩石質か多量の金属を含む組成で、水や氷はほとんどないと考えられている。暗く赤っぽい色は、数百万年間も宇宙線を浴びてきた影響だろう。

オウムアムアの長さは幅に対して10倍も大きいが、この比は太陽系内のどの小惑星や彗星よりも大きい値だ。これまでに知られている小天体では、幅に対して長さが3倍が最大だった。驚くほど細長い形は、他の恒星系の形成に関する新たな手がかりとなるかもしれない。

初期の軌道計算から、オウムアムアはこと座のベガの方向からやってきたことが示された。しかし、時速約9万5000kmという猛列な速度をもってしても、恒星間天体が太陽系へやってくるには相当の時間がかかる。オウムアムアは太陽系に遭遇するまでの数億年間、他の恒星系から離れたまま、天の川銀河内をさまよっていた可能性が十分にある。

オウムアムアは現在、太陽に対して秒速約38kmで太陽系からどんどん離れており、地球からは約2.2億km離れたうお座の方向にある。来年5月には木星軌道を、再来年1月には土星軌道を越えて太陽系を後にし、べガスス座の方向へ向かう。今後は暗くなる一方だが、研究者たちは可能な限り追跡を続け、オウムアムアの性質を明らかにしようとしている。「オウムアムアがどこからやってきて、これからの旅でどこへ向かうのかについて、もっと正確に突き止めたいと思っています」(ヨーロッパ南天天文台 Olivier Hainautさん)。

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太陽系を通過するオウムアムアの軌道(提供:ヨーロッパ南天天文台)

太陽系を後にするオウムアムアの姿が再び見られることはないが、研究者は他の恒星間天体を研究できる機会は今後もあるだろうと考えている。多くの恒星の周りには惑星系が存在すると考えられており、天の川銀河内には惑星形成過程で放出された小天体がありふれているはずだからだ。オウムアムアのような恒星間天体が太陽系内へやってくる確率は年に1回ほどと計算されているが、暗いために発見が難しく、これまで見逃されてきたのだろう。「このような恒星間天体の存在は数十年前から予測されていましたが、ついに初めて天体の存在を示す直接的な証拠を得たのです。今回の歴史的な発見で、太陽系以外の恒星系の形成を研究する新たな窓が開かれました」(NASA科学ミッション局副長官 Thomas Zurbuchenさん)。

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オウムアムアに関する研究者へのインタビュー動画(提供:NASA JPL)