【2019年11月6日 国立天文台】

すばる望遠鏡では2014年から、超広視野主焦点カメラ「ハイパー・シュプリーム・カム(Hyper Suprime-Cam; HSC)」を使って全300夜もの観測を行う「すばる望遠鏡戦略枠サーベイ(HSC SSP)」が続けられている。

HSCによって取得された広大な宇宙画像には、楕円銀河や渦巻銀河などのほかに、他の銀河とすれ違ったり衝突したりして形が大きく変わってしまった「衝突銀河」も多数写っている。衝突銀河の形や数を調べることは、銀河の生い立ちをひも解き、多様性の謎に迫ることにつながる。しかし、膨大な数の銀河を分類するのは、研究者だけではとても不可能だ。

そこで、国立天文台では、研究者と一般市民が一緒に科学的活動を行う「市民天文学」プロジェクトとして、すばる望遠鏡の観測データという「宇宙」の大海原を航海しながら銀河の謎に挑むサイト「GALAXY CRUISE」を作成・公開した。市民がインターネットを利用して天文学のデータにアクセスし研究に協力する「シチズンサイエンス(citizen science)」は、海外では多く進められているが、日本ではGALAXY CRUISEが第一号だ。

「GALAXY CRUISE」サイトのイメージ
「GALAXY CRUISE」サイトのイメージ。パソコンとインターネットがあれば、どこからでもアクセスして銀河の分類に参加できる(提供:国立天文台、以下同)

大海原をクルーズする「市民天文学者」となるためには、まずトレーニングページでクイズに答えて基礎知識を身につけ、乗船許可証を入手する必要がある。続いてログイン画面でアカウントを登録すると航海開始だ。クルーズでは、次々と画面に映し出される銀河を分類しながら、4つの街と6つの大陸(計10か所の観測領域)を巡る。途中の街や大陸では「出国スタンプ」が用意されており、「おみやげ」(記念品イラスト)を集めることもできる。

「GALAXY CRUISE」の銀河分類の画面
銀河分類の画面。右下の「かじ」のアイコンをクリックすると、中央に銀河が現れる。画面下の銀河のタイプの選択肢から、最も当てはまると思う答えを選び、銀河を分類する。画面左下に並ぶアイコンからは自分の「航海記録」や、集めた「出国スタンプ」「おみやげ」を見ることができる。画像クリックで表示拡大

市民天文学者による分類結果は研究者によって統計的に解析され、銀河の研究に役立てられる。この機会に、あなたもGALAXY CRUISEで銀河を巡る旅に出航し、市民天文学者となって研究者と共に銀河の謎に挑戦してみてはいかがだろうか。

(Youtube動画)

紹介動画「GALAXY CRUISEで銀河を巡ろう」

※「GALAXY CRUISE」の運営スタッフである、国立天文台の臼田-佐藤功美子さんによるプロジェクトの紹介や公開までのエピソードは星ナビ2020年1月号にて。