【2021年4月15日 VSOLJニュース】

著者:前原裕之さん(国立天文台)

今年に入ってからこれまでに、へびつかい座に1個とカシオペヤ座に1個、いて座に2個の新星が発見されましたが、また新たな新星が今度はさそり座の中に発見されました。

この新星を最初に発見したのは米・オハイオ州立大学を中心とするAll-Sky AutomatedSurvey for Supernovae(ASAS-SN, "Assassin")のグループで、4月12.168日(世界時、以下同。日本時では12日12時50分ごろ)に撮影された画像から11.1等の新天体ASASSN-21fhを発見しました。また、オーストラリアのPaul Camilleriさんも4月12.7625日にこの天体を9.5等で発見しました。発見後の詳しい観測によると、この天体の正確な位置は以下のとおりです。


赤経 17h09m08.11s
赤緯 -37°30′40.9″(2000年分点)

確認画像
確認画像(撮影:清田誠一郎さん)

さそり座の新星の位置
さそり座の新星の位置。画像クリックで星図拡大(「ステラナビゲータ」で星図作成)

天体の分光観測はインドのアーブー山天文台の1.2m望遠鏡で4月12.916日に行われ、スペクトルにP Cygプロファイルを持つ水素のバルマー系列や一階電離した鉄、中性酸素の輝線が見られることがわかりました。このようなスペクトルの特徴から、この天体が古典新星であることが確認されました。

新星は4月13日には8等台後半の明るさになったことが報告されました。南に低い天体ですが、口径7-10cm程度の双眼鏡や天体望遠鏡があれば見ることができると思われます。