3月14日、ドイツのニュルブルクリンクで、VLNニュルブルクリンク耐久シリーズの公式テストが行われた。このテストには、日本からTOYOTA GAZOO RacingのレクサスLC、そして2020年からニュルブルクリンク24時間にタッグを組んで参戦するNOVEL racing×トーヨータイヤのレクサスRC Fとトヨタ・スープラGT4がテストに参加した。

 例年、ニュルブルクリンク24時間に向け開幕を待ちきれないファンやチームで賑わうVLN公式テスト。しかし、2020年は24時間レースが9月に延期、VLN1/VLN2が中止になるなど新型コロナウイルスの影響が出ており、このVLNテストはギリギリのタイミングで無観客開催となっていた。

 かろうじてテストは開催されたものの、事前に告知されていた60台の参加エントラントのうち、直前にマンタイ・レーシングやザクスピード、シュニッツァー等が参加をとりやめ。イタリアにファクトリーを置くスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスは出入国が禁止され参加を中止せざるを得ない等、各所で影響は大きく、約30台の少ない参加となった。

 そんななか、今季日本からニュルブルクリンク24時間に挑戦するチームのうち、TOYOTA GAZOO RacingのレクサスLC、2020年からタッグを組んで参戦するNOVEL racing×トーヨータイヤのレクサスRC Fとトヨタ・スープラGT4が1ピットを分け合い、VLNテストに参加。レクサスには朝日ターボも乗り込んでいる。

 2016年からニュルブルクリンクへの挑戦を続けている岐阜県のレクサス専門チューナーのNOVEL渡邉卓代表は、3月13日にセントレアからフランクフルト行きの便にスタッフとともに乗り込んだが、機内には30名程しか搭乗しておらず、新型コロナウイルスの影響を感じたという。ただ、ドイツについてみると、個人での感染対策はやはり日本人の方がシビアと感じたとか。

「2019年10月から、トーヨータイヤさんとニュルブルクリンク24時間への挑戦について話し合いを重ねてきましたが、このVLNテストでやっとスタートラインに立つことができました」と渡邉代表は喜びを語った。

 事前に日本で3回ほどテストを行ってきたというが、やはりノルドシュライフェは「特にタイヤに多くの負荷がかかります。日本のテストでは見えなかった点を今回のテストでは発見でき、今後改善すべき点も多くありました」

 また、トーヨータイヤの加藤達也REタイヤ開発部商品開発グループリーダーは、事前に現地駐在事務所と連絡を密に取り合い、ドイツ国内の状況を調査したうえで予防安全対策を十分に施し、テスト参加を決めての渡独となったという。

「ノルドシュライフェは日本国内のサーキットとは違う、特別な場所なのだと改めて気づかされました。まず今回のテストではしっかりと気を引き締めて、トラブルやアクシデントを起こさないことを第一に考え、慎重にテストを進めました」と加藤グループリーダー。

「予定していたこの日のテストメニューは達成できたので、この結果をベースラインにして開発を進め、レース用タイヤだけではなく、市販スポーツタイヤにも展開できるデータを今後も蓄積していきたいと考えています」

 24時間レースの延期、VLNの中止はNOVEL racing、トーヨータイヤにとっても痛手ではあるが、逆に充分に時間を使って、マシンのアップデートやファクトリーでのテストに重点を置き、今後時間を有意義に使っていきたいようだ。