シルバーストン・サーキットのマネージングディレクターを務めるスチュアート・プリングルは、F1が2020年シーズンを立て直すのを支援するために、シルバーストンで複数のF1レースを開催する可能性に前向きだと述べている。

 今週シルバーストンは、7月17〜19日に予定されている今年のF1イギリスGPの開催可否を決定する期限を、4月30日に設定したことを発表した。

 これまでのところ、F1は2020年シーズンの序盤8ラウンドを延期または中止している。予定されている次のレースはモントリオールで開催される第9戦カナダGPだが、これも中止になると見られている。

 新型コロナウイルス流行のさなか、今夏に予定されている世界中のスポーツイベントが次々と中止になっている。テニスのウィンブルドン選手権は延期の憂き目にあったイベントだ。

 現在の状況はイギリスがF1を開催するのに好ましいものとは思えないが、プリングルは『Sky Sports News』に対し、なぜ彼がレースをあと数週間スケジュールに残すのかを説明した。

「それにはふたつの理由がある。一番の理由は、シルバーストンは世界選手権の1ラウンドであるということだ。F1界の同僚たちはシーズンをつなぎ合わせることに尽力しており、シーズンはさらに遅い時期に開幕することになるだろう」とプリングルは記者のクレイグ・スレイターに語った。

「多くのレースが延期となり、ひとつは中止になっている。彼らはカレンダーをともに作り直そうとしている」

「我々はカレンダーのひとつの要素であり、F1がシーズンを始めるチャンスをつかむことが重要だ。必要であれば、我々は待つことができる」

「それはなぜかと言えば、我々シルバーストン・サーキットは常設コースだからだ。市街地コースと違って、我々には常設のコースとインフラがある。また我々は非常に経験豊富なチームであり、仕事の内容を熟知している」

「だから決定を下すのが4月でも問題ないし、F1にとっても十分な時期だ。彼らの計画をともにまとめられることを願っている」

■逆回りのレイアウトで2戦目の開催を主張

 F1のCEOを務めるチェイス・キャリーは先週、F1は少なくとも15戦を組めるだろうと期待していると語った。

 しかしながらそのような見通しを立てるには、一旦レースができる状況になったら夏の後半にかなりのレースを詰め込むことになりつつも、適切なカレンダーを編成するという点において、運営に工夫が必要となることは間違いない。

 シルバーストンはF1コミュニティと親しんでいることから、複数のレースを開催することで、F1が計15戦を開催できるように支援できる可能性がある。この発案に、プリングルは乗り気でいるのだ。

「私がやったことというのは、彼らが選手権にとって最善の利益になると考えるいかなる方法や形態でも、我々は喜んで仕事をするとF1側に伝えたことだ」とプリングルは語った。

「チームの多くはサーキットからすぐ近くに拠点を持っている。だから運営面でもかなり簡単になるだろう」

「我々には常設のインフラがあり、スタッフは大部分が夜には自宅に帰って自分のベッドで眠れるだろう。もしそのように支援をすることができるのなら、我々は喜んでそうする」

 シルバーストンでF1を2レース開催する際に、ショーの内容を盛り上げる手段として、プリングルはレイアウトを反対回りにしてレースをすることに前向きであるという。

「これはそれほどばかげた考えではない。我々は反対回りでレースをする認可を得ていないが、今は普通ではない時だから、普通ではない判断が下されることがあると思っている」

「何も却下されたことはないが、これからの4週間でどうなるか様子を見てみよう」

「F1にとって難しいことだ。彼らはイギリスで何が起きているかということを見ていない。彼らは世界で何が起きているのかということに目を向けていて、どのように旅程を組まなければならないかを考えている」

「おそらくはそれほど奇抜な提案ではないだろう」

 反対回りのレイアウトを採用した場合、そのレースは『ントスーバルシGP』と呼ばれるようになるのだろうか? 様子を見るしかなさそうだ。