7月12日現地時間午後3時10分、第2戦シュタイアーマルクGPの決勝が行われた。

 前日とは打って変わってレッドブルリンクは好天に恵まれたが、気温は20度、路面温度は42度と先週ほどは暑くなっていない。

 予選6番手のランド・ノリス(マクラーレン)はFP1での黄旗無視により3グリッド降格で9番グリッド、予選11番手のシャルル・ルクレール(フェラーリ)はダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)への妨害行為により3グリッド降格で14番グリッド、そして予選19番手のアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)はQ1クラッシュ後のギヤボックス交換で5グリッド降格が科されているが変わらず19番グリッドからのスタートとなった。

 また、ノータイムで予選最下位に終わったロマン・グロージャン(ハース)車はチームクルーがパルクフェルメ規定の予選終了後3時間半後の午後8時16分までに整備作業を完了することができず午後11時20分まで作業を継続し、なおかつ車検員の監視下でもなかったため、聴聞が行われた上でピットレーンスタートが義務づけられた。

 予選がウエットコンディションで行われたため全車が自由にスタートタイヤを選ぶことができ、涼しいコンディションでデグラデーションの低下も予想されることから上位勢はほぼ全車がソフトを選び、8番手ダニエル・リカルド(ルノー)、10位セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)、13番手クビアト、16番手キミ・ライコネン(アルファロメオ)、18位ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)、19番手ジョビツナッツィがミディアムを履いてスタートに臨んだ。

 スタートでポールポジションのルイス・ハミルトン(メルセデス)は好加速を見せて首位を守り、後方ではカルロス・サインツJr.(マクラーレン)がターン1でマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)のアウト側に並んでいくが、開幕戦のノリスと同じようにワイドになり、ターン3でインについたフェルスタッペンが2番手を守る。

 その後ろにバルテリ・ボッタス(メルセデス)が続き、後方ではアレクサンダー・アルボン(アレクサンダー・アルボン)がエステバン・オコン(ルノー)をかわして番手に上がる。その後方はリカルド、ガスリー、ノリス、ランス・ストロール(レーシングポイント)のトップ10で、ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)が11番手に浮上している。

 ターン3ではアグレッシブにインを突いたルクレールが止まりきれずベッテルのマシンに乗り上げるようなかたちになり、ベッテルはリヤウイングを失ってリタイア。ルクレールはフロントウイングにダメージを負ってピットインし最後尾に下がる。

 これでセーフティカー導入となり、レースは4周目に再開。上位勢はポジションに変動無く、ハミルトンがファステストラップを記録して後続を引き離しに掛かり、ラッセルはターン6で飛び出してしまい18番手まで後退してしまう。6周目にはボッタスがサインツJr.を抜いて3番手に浮上。8周目にはアルボンもサインツJr.を抜いて4番手に上がった。順列が落ち着いてくると上位勢はタイヤマネージメントへと切り替えていく。

 中団グループはサインツJr.を先頭に6番手オコン、7番手リカルド、8番手ガスリー、9番手にノリスを抜いたストロール、10番手ノリス、11番手ペレスとトレイン状態で続くが、リカルドはオコンに抑え込まれるようなかたちになり本来のペースを発揮しきれないと訴える。ルクレールは左フロアに大きなダメージを負っており、ピットに戻ってリタイアというフェラーリにとっては最悪の結果となってしまった。

 12〜13周目になるとタイヤが完全に落ち着き、上位勢3台は同じペースでタイヤを労りながらピットストップのタイミングを待つ走行に切り替えた。4番手アルボンはこれに比べると1周1秒ほど遅いペースで引き離されていく。14周目にはペレスもターン3でノリスのインを突いてタイヤをロックさせながら前に出て10番手のポジションを奪い取った。

 17周目には7番手リカルドが前のオコンにターン4で仕掛けてアウト側から並びかけていくが、オコンも譲らず先週のアルボンとハミルトンのようにあわや接触という場面でリカルドが引いてオコンが6番手を守った。しかし19周目にはリカルドが完全にオコンを捕らえて6番手に浮上した。その後方ではストロールがバックストレートからターン4でガスリーを抜いて8番手、さらにペレスもこれに続く。

 19周目になるとメルセデスAMG勢がピットストップを見据えてプッシュを開始し、首位ハミルトンがファステストラップを連発。2番手フェルスタッペンとのギャップは5秒にまで広がり、3番手ボッタスは2秒後方へと迫ってくる。4番手アルボンはその20秒後方まで引き離されている。

 そんな状況のなか、24周目にフェルスタッペンが先に動いてミディアムタイヤに交換する。後方ではノリスに抜かれて11番手まで下がったガスリーもピットインするが、ウイリアムズ勢に引っかかることになってしまった。翌25周目にオコンがピットインするが、前回のリカルドと同じようにそのままガレージへと押し戻されてリタイアとなった。

 首位ハミルトンは27周目にピットインしてミディアムに交換し、余裕を持ってフェルスタッペンの前でコースに戻った。しかしボッタスはステイアウトしてフェルスタッペンと同等のペースで走り続ける。そしてハミルトンはフェルスタッペンより0.2〜0.3秒ほど速いペースでギャップを広げていく。

 ボッタスは34周目まで引っ張ってピットピンし、ミディアムに換えてフェルスタッペンの8秒後方でコースに戻る。しかしフェルスタッペンよりも10周もフレッシュなタイヤでコース上での争いを仕掛けることになる。

 32周目に中団トップのサインツJr.がピットインし、ミディアムに履き替える。しかし左リヤのピット作業に手間取り7.2秒もかかってしてしまう。これを見てストロールが翌33周目にピットインし、サインツJr.の前でコースに復帰した。37周目にリカルドがピットインし、アルファロメオ勢に引っかかってタイムロスしていたストロールとサインツJr.の前で戻ることに成功した。

 38周目にペレスがピットインし、サインツJr.の直前でコースへ戻るものの、ターン4への飛び込みでサインツJr.に9番手を奪われた。しかしペレスは諦めずターン6でアウトから抜き返して8番手を取り戻す。

 39周目にノリスがピットインし、これで中団勢も全てタイヤ交換を消化。中団勢は4番手アルボンの4秒後方に5番手リカルド、6番手ストロール、7番手ペレス、8番手サインツ、9番手にノリスという順になり、ガスリーはそこから10秒遅れの10番手となってしまった。この中でリカルドだけはスタートタイヤがミディアムであったため、第2スティントにはソフトタイヤを履いている。

 第2スティントに入って数周が経過したところでメルセデスAMG勢がプッシュを開始し、フェルスタッペンも自己ベストで応酬。首位ハミルトンの5秒後方に2番手フェルスタッペン、そして3番手ボッタスが差を毎周0.3秒ずつじわじわと縮めていく。しかし45周目を過ぎたあたりからボッタスのペースは低下し、両者のギャップは8秒で固まる。

 45周目、ペレスがバックストレートでストロールの前に出るが、ストロールはターン4で譲らずサイドバイサイド。それでもペレスはそのまま立ち上がって行き、ターン6でインを取って6番手を奪い取った。ペレスはその勢いのままリカルドも48周目のバックストレートで攻略し、失意の予選から中団グループトップまで挽回してみせた。

 パワフルなエンジンモードを使ってプッシュするペレスの勢いは止まらず、50周目にはファステストラップを記録し、4位アルボンよりも1秒近く速いペースで急激にギャップを縮めていく。アルボンも反応してペースを上げるが、それでもまだ0.4秒〜0.5ほどペレスの方が速い。

 50周目を過ぎたあたりからボッタスはトラフィックがいなくなったのと同時にペースアップして2番手フェルスタッペンとのギャップを縮め始めた。フェルスタッペンもプッシュして対抗するが、フロントウイングの右翼端板フットプレートにダメージを負っておりペースはやや苦しい。

 後方では6番手リカルドにストロールが迫り、8番手サインツJr.はタイヤに苦しんでおり、9番手ノリスが迫って61周目にチームオーダーで順位を入れ換えた。10番手クビアトの背後にアルファロメオ勢が迫り、なかなか攻略できないジョビナッツィにポジションスワップの指示が出されてライコネンが仕掛ける側に回る。

 60周目を過ぎるとボッタスから34秒遅れのアルボンにペレスが接近。62周目には再びエンジンモードを上げたのか、ファステストラップを記録して勝負に出るが、アルボンも残しておいた余力で自己ベストタイムを刻んで0.7秒差のギャップで対抗する。

 66周目ついにボッタスがフェルスタッペンの背後に迫り、バックストレートで抜きに掛かる。一旦はボッタスが前に出るが、フェルスタッペンがターン4でアウトから粘って縁石一杯まで使ってサイドバイサイドのまま立ち上がり、ターン6でインを抑えてなんとか2番手を守った。

 しかし翌67周目のターン3でボッタスはアウト側に振ってフェルスタッペンをイン側に追いやり、立ち上がりを苦しくさせてバックストレートでDRSを使ってパス。今度はターン4のインを抑え、フェルスタッペンを抑え込んで2番手を奪い取った。

 これでフェルスタッペンはピットに飛び込み、新品のソフトに履き替えてファステストラップを取りに行くしかなかった。周回遅れのトラフィックを先行させてギャップをつくってまでタイムアタックを行うが更新できず。

 69周目にはペレスがターン4でアルボンのインを突くが、アルボンはアウト側のラインを取り、アルボンの右リヤタイヤにペレスのフロントウイングが接触。アルボンは4番手を死守したが、ペレスはフロントウイングにダメージを負って大きくペース低下。

 後方ではストロールがターン3でリカルドのインに飛び込み、押し出すようにしながらパス。これに乗じてノリスもリカルドをパスし、ターン4でストロールにも仕掛ける。ここでは抜けなかったものの、最終71周目のバックストレートで抜き去ってターン4のインを締め6番手へ。さらにペースを大幅に落としたペレスを最終コーナー手前で捕らえてまたしても中団グループトップの5番手でフィニッシュしてみせた。

 トップはボッタスに13秒差を付けて悠々とフィニッシュしたハミルトン。2位にボッタス、フェルスタッペンは3位でメルセデスAMG勢に完敗と言え、ファステストラップも最後にソフトタイヤでアタックしたサインツJr.に持って行かれた。

 4位は辛くも守り切ったアルボン、5位ノリス、6位ペレス、7位ストロール、8位リカルド、9位サインツ、そして10位はアルファロメオ勢を抑えきったクビアトとなった。