F1の一部の中団チーム代表は、F1の予算制限のなかにドライバーへのサラリーを含めるべきであるという意見を持っている。

 競争の場を公平にすることを目指し、2021年からF1に1億4500万ドル(約154億円)の予算制限が導入される。しかしこの金額には除外されている項目があり、ドライバーのサラリーもそのひとつだ。

 メルセデスF1チーム代表のトト・ウォルフは最近、ドライバーの報酬をチームが管理し制限する予算に含めるという案への支持を表明した。しかしウォルフは、報酬に上限を設定することで、スーパースターたちがF1から去ってしまうことを懸念している。

 ルイス・ハミルトンは現在、F1で最高額のサラリーを受け取っており、その金額は年間4000万ドル(約42億5000万円)と推定されている。他にもフェラーリのセバスチャン・ベッテル、ルノーと2年契約を交わしたダニエル・リカルドも高額のサラリーを得ていると考えられている。

 F1のトップチームと中団チームの差を縮小するという点で、ドライバーのサラリーを制限することは、グランプリレースを公平にするための有用な手段のひとつになると、一部のチーム代表たちはみなしている。

「私はドライバーのサラリーを予算制限に盛り込むことにもちろん賛成だ。なぜならそうすればチームはその決断をせざるを得ないからだ」とレーシングポイントF1チーム代表のオットマー・サフナウアーは語っている。

「ドライバーに費用をかけるのか、それともそれほど費用がかからないドライバーを選んで、あとは他のパフォーマンスを上げることに使うのかということだ。私は予算制限に報酬額も含めることを支持する」

 サフナウアーは、サラリーが制限されてもスタードライバーたちがF1から去ることはないと考えている。

「もしF1を去るのなら、スーパースターたちは他のどこへ行くのだろう? ドライバーのサラリーを予算制限に入れたとしても、それでも彼らのサラリーは他のレースシリーズで受け取る額よりも高くなるだろう」

 ウイリアムズF1チーム副代表のクレア・ウイリアムズも、レーシングポイントのサフナウアー代表と同じ考えだ。

「私もオットマーに賛成です」とウイリアムズは語った。

「ドライバーはパフォーマンスの差別化要因です。財務レギュレーションは、F1での競争の場をはるかに公平なものにするために存在しています。従って、パフォーマンスに関連する者は誰でも予算制限の一部に組み込まれることが重要なのは間違いないでしょう。私はそう考え、このことに心から賛成します」

「オットマーが言ったように、ドライバーがF1に参加する気をそいでしまうようなことはおそらくほとんどないでしょう。なぜならF1はモータースポーツの最高峰であり、レースをしたいドライバーたちの最終到達地だからです」

 全チームのなかでも最小限レベルの予算で運営されているハースF1チームの代表ギュンター・シュタイナーは、サラリー額はパフォーマンスに影響する要素のひとつであると考えている。

「ドライバー制限あるいはドライバーサラリー制限、どう呼ぼうとかまわないが、私はそのことに反対する気持ちはない」とシュタイナーは語った。

「我々にとって問題になるとは思わない。なぜなら我々は制限額がどうなろうが遠くそれに及んでいないからだ」

「だから私はそれを推し進めたりといったことはしないが、ある段階で予算制限に組み込むことは良いアイデアだろう。なぜならそれはパフォーマンスの差別化要因になるからだ」

「ドライバーに大金を使ったら、他のことに資金を使えないのは確かだ。それは競争の場をいっそう公平なものにするはずだ。サラリー額が調整され、現在よりも金額は低くなるだろう」

「私にとって高いサラリー額は問題ではない。なぜなら我々は予算制限額にも及んでいないのだから。適切な金額に決まるのであれば、最終的にはこうした提案に私は賛成するだろう」