レッドブル・ホンダが第10戦ロシアGPに続いて、第11戦アイフェルGPでも2位を獲得した。レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、次のように評価する。

「今日の2位表彰台は、メルセデスとの差がさらに縮まっていると証明することができた一戦となった。セクター2と3では我々の弱点がまだ残っているものの、セクター1はメルセデスより速く、フェルスタッペンがレース中、最速だった。これは我々の開発の方向性が正しいということを示しており、レッドブル・ホンダにとって勇気づけられる結果だった」

 レース終盤の45周目にセーフティーカーが導入され、その差が一気に縮まったときは、逆転優勝の可能性も見えた。しかし、レース再開直後のスタートダッシュでハミルトンに大きく遅れをとった。その理由をホーナーはこう分析する。

「我々はセーフティーカーの後ろでフロントタイヤが完全に冷えてしまった。状況はメルセデスも同じだが、ルイス(・ハミルトン/メルセデス)のマシンにはDAS(二重軸ステアリング)があるから、それを動かすことで、スロー走行中でもフロントタイヤが冷えるのを防いでいたようだ」

 そして、最後に珍しく他チームのドライバーを祝福した。それは、3位に入ったダニエル・リカルド(ルノー)だ。リカルドは2年前まで、レッドブルのドライバーだった。今回の3位表彰台は、リカルドにとってルノー移籍後、初めての登壇だった。

「ルノーのダニエルとシリル(・アビテブール/マネジングディレクター)にもおめでとうと言いたい」と、ホーナーはリカルドだけでなく、珍しくアビテブールへも祝辞を贈った。レッドブルとルノーは2018年限りで事実上、ケンカ別れした犬猿の仲だ。

 別れた後の2019年のバーレーンGPでも、レース終盤にルノーがパワーユニットトラブルによりコース脇でリタイアしてセーフティーカーが導入されたために、その直前までペースダウンを余儀なくされていたシャルル・ルクレール(フェラーリ)をあと一歩というところで捕らえられなかったときには、「搭載していても、搭載していなくても、どっちにしても役に立たない」(ホーナー)と揶揄したほどだった。

 そのホーナーが珍しくルノーのアビテブールに「おめでとう」という言葉を贈った。

 しかし、これには訳があった。それはリカルドがアビテブールとこんな約束をしていたことを知っていたからだ。

「もし今シーズン中に表彰台に上がったら、お互いにおそろいのタトゥーを彫ろう」

 リカルドはすでにタトゥーを入れているが、アビテブールにとっては初めての経験となる。だから、ホーナーはこう言って、ほくそ笑んだ。

「ダニエルがシリルのためにどんなタトゥーを選ぶのか、みんな興味津々だね(笑)」