2月2日(火)にイギリスの退役軍人のトム・ムーア氏が死亡したことを受けて、F1界から哀悼の意が続々と寄せられた。

 昨年の春、ムーア氏はイギリスにとって人々を激励する真のヒーローになった。彼は新型コロナウイルスの感染拡大によるロックダウン期間中に自宅の庭を歩いて100往復し、3300万ポンド(約47億円)という驚異的な額の寄付をNHS(国民保険サービス)のために集めたのだ。

 7月にはエリザベス女王からナイトの爵位を与えられ、ムーア氏の100歳の誕生日にはイギリス空軍による儀礼飛行が行われた。また彼は熱心なF1ファンであり、特にマクラーレンがお気に入りだった。ランド・ノリスは伝説の退役軍人となったムーア氏をウォーキングに招待する申し出をし、彼のレース用ヘルメットのひとつを贈った。

 そのムーア氏が今週初めに新型コロナウイルス感染症が原因で100歳で亡くなったことを受け、当然ながらノリスはF1界で先陣を切って追悼の意を表した。

「悲しみとともに、最もクールで感動を与えてくれる人物のひとりが亡くなった」

「世界に向けて、年齢や困難に関係なく何ができるかを示して見せた人だ。あなたと笑いにあふれた時間を共有できたことは喜びだった。僕はあの時のことを忘れない。感動に。キャプテン・サー・トム、安らかにお眠りください」

 マクラーレンもスタッフから弔意を表し、ウイリアムズもそれに続いた。

「キャプテン・サー・トム・ムーアの逝去の報を聞いて、マクラーレンの誰もが深く悲しんでいる」とチームは述べた。

「彼の驚くべきたくましさ、勇気、楽観主義は、我々を鼓舞し続けるだろう。この困難な時期に、我々は彼のご家族に思いを寄せている」

 7度のF1世界王者ルイス・ハミルトン(メルセデス)も、昨年英雄のように国中の心をつかんだムーア氏の思い出を称えた。

「キャプテン・サー・トム・ムーアが亡くなったことを聞いて非常に悲しんでいる」とハミルトンは語った。

「彼は国全体を勇気づけた。僕がどれだけ畏敬の念を持っているか、彼に話す機会が持てたことを光栄に思う」

「今日、彼のご家族と、同様にウイルスのために大切な人を亡くしたすべての人々に対し、心からの追悼の意を捧げたい。キャプテン・サー・トムは真のヒーローだ。このような困難な時期に、僕たちの最高の力を引き出してくれた素晴らしい人物のことを決して忘れないだろう。RIP キャプテン・サー・トム」

 ムーア氏はこの非常に暗い時期における輝ける光であり、我々全員に励ましを与えてくれた。
 安らかにお眠りください。青い空をあなたに。あなたの任務は完了しました。