キミ・ライコネンは、2019年の初めにアルファロメオへ加入して以来繰り返しこう話してきた。「仮に11位で終わろうが最下位で終わろうが、ポイントを獲得できなければ同じ結果だ」。しかし3月28日に行われた2021年F1開幕戦バーレーンGP決勝を、10位のランス・ストロールからわずか2秒遅れの11位で走り終えた後の彼は、これまでよりもやや上機嫌に見えた。

 土曜日の予選で14番手だった2007年世界王者は、決勝レースが始まると、フォーメイションラップでセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)のマシンの電源が落ちたトラブルにも助けられ、角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)も抜いて、1周目で早くも11番手に上がった。

 その後の周回のほとんどを、ライコネンは11番手の位置で走った。ペレスと角田にはポジションを奪われたものの、チームメイトのアントニオ・ジョビナッツィを抜き、さらにフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)がブレーキのトラブルでリタイアしたため、最終的に11位でフィニッシュした。

 レースの大部分で比較的いい位置を争って走ったシーズン初戦は、ライコネンにとって比較的満足のいく内容だったようだが、入賞に届かなかったことには当然ながら落胆している。

「もちろん、もっと上の順位を望んでいたよ。あと少しだった。けれど、あまりにも遅かった去年と比べれば悪くはなかった。最後のほうはタイヤが限界だったけれど、それでもまあまあだったね。でも、ポイントを獲得したかったが、結果として獲れなかった」

 ベテランドライバーであるライコネンにとって励みとなっているのは、アルファロメオの2021年型マシンであるC41・フェラーリの感触がプレシーズンテスト以降ずっと良いことだ。

「今日のマシンの感触は、テストのときと非常に近かった。ただ、あともう少し良くなっていてほしかったけれどね。ペースは良かったが、タイヤをもたせるために労わって走らなければならなくなってからは、十分な速さを維持できなかった。でも、それが現状なんだ」

■「バトルは楽しかったが、僕らのマシンはまだ遅すぎる」とライコネン

 フェラーリのパワーユニット(PU/エンジン)のパワーが増したことで、ライコネンはアロンソやセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)といった古くからのライバルたちと戦い、追い抜くことができた。それでも、ストレートスピードではまだ十分な強さを発揮できないと感じているようだ。

「確かに何人かを抜くことはできたし、それはもちろん楽しかった。でも他の何人かについては、できることが何もなかった。マシンが遅すぎたんだ」

「マシンの挙動は良かったけれど、タイヤを長くもたせるためには、他のマシンよりもスピードを落とさざるを得なかった。結局、ポイント獲得まではあともう少しだった。でもその少しがすごく遠いんだ」

 36周目、ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)との間に起きたちょっとしたポジション争いについて、ラッセルがやり過ぎたのではないかという質問を、ライコネンはいつものように一瞬ではねのけた。

「いや、まったく問題はなかった。ひとつかふたつのコーナーのことだし、その後、彼をかわした。だから関係ないよ」

 土曜日の予選ではチームメイトのジョビナッツィがわずか0.084秒差でQ3進出を逃した。ライコネンは予選の時点で、チームが昨年の同じ時期と比べてはるかに良い状態にあると感じており、Q1とQ2でのラップにパフォーマンスが欠けていたことについて、自分自身を責めた。

「マシンは確実に良くなっていた。ただ、僕のラップが平凡だったんだ。すべてのラップで小さなミスがあり、パーフェクトなラップにできなかった。FP3のときから少しマシンに手を加えた。予選に向けてはやるべきことではなかったが、決勝では助けになるはずの変更だった」

「もっと悪い結果に終わった可能性もあるけれど、もっと良い結果を出せたかもしれない。でも全体的にみれば、去年の開幕戦と比べて確実に良くなっている。それでもポイント争いをするにはまだ遅すぎる」