4月18日、イタリア・モンツァでファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・パワード・バイ・AWSの2021年シーズン開幕戦が行われ、ダイナミック・モータースポーツの54号車ポルシェ911 GT3 R(マッテオ・カイローリ/クラウス・バクラー/クリスチャン・エンゲルハート組)が3時間の決勝レースを制し、2年ぶりの開幕ウイナーとなった。

 シリーズに設定されているエンデュランスカップの今季オープンニングレースにもなった今戦は、計42台のFIA-GT3カーがグリッドに並んだ。

 その決勝前に行われた予選では、オレンジ1・FFFレーシング・チームの63号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボが、0.007秒差でアッカASPの88号車メルセデスAMG GT3を退けポールポジションを奪取。アイアン・リンクスの71号車フェラーリ488 GT3とチームWRTの32号車アウディR8 LMSがセカンドロウに並んだ。

 曇り空のなか迎えた決勝レースは定刻15時にローリングスタートが切られると、大きな混乱なくオープニグラップを終える。しかし10分後、コース上に雨粒が落ち始め路面はドライからダンプ、そしてウエットに変化していく。ほどなくしてクラッシュが発生し、このレース最初のフルコースイエロー(FCY)が出されることとなった。

 ウエットタイヤに履き替えるチームが出始めるなか、コース上にステイしていた上位陣もこのタイミングで一斉にピットへ向かう。ポールシッターの63号車ランボルギーニはここでライバルに逆転を許すと、コース復帰直後には電気系と思われるトラブルでストップ。首位から一転、1ラップダウンとなってしまう。

 ランボルギーニに代わってトップに立ったのは88号車メルセデスだ。だが、アッカASPはレース開始から1時間後に出された3回目のFCY時にピットインをせず、グリーンフラッグ下でピットに入った。これが裏目に出て、FCY中にルーティン作業を行ったHRTの4号車メルセデスAMG GT3と32号車アウディにアンダーカットを許してしまう。
 
 スタートから1時間15分、2番手を走る32号車の左リヤタイヤがバーストし、パーツがコースにばら撒かれたことから4回目のFCYが導入される。15分後、雨が上がりダンプコンディションのなかでレース再開に。

 それからわずか8分後、今度は首位4号車の左リヤタイヤがパンク。水量が少なくなった路面でウエットタイヤが限界を迎えたのか、さらに2台のランボルギーニが同時にタイヤを壊すなどタイヤのトラブルが相次ぐ。

■今季も欧州挑戦の富田竜一郎が力走

 時を同じくして2番手に浮上した88号車メルセデスを攻め立てていた54号車ポルシェが、コース上でこれを交わしてトップに浮上した。2019年の開幕戦モンツァのウイナーである54号車はその後、後続とのギャップを広げ、残り58分で最後のピットインを行う。ここでウエットタイヤからスリックタイヤに交換してコースに復帰した。

 バーストによってストップした車両回収のために提示された5度目のFCYとセーフティカーラン明けも54号車は好ペースを維持。88号車とエミール・フレイ・レーシングの14号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ、さらに71号車フェラーリが表彰台をかけた争いを繰り広げるのを尻目に、バクラーが79周目にトップチェッカーを受けた。
 
 ジュール・グーノン駆る88号車メルセデスは後続を抑えきって2位に。3位表彰台を得た14号車ランボルギーニは同時にシルバーカップ優勝を果たしている。

 そのシルバーカップにエントリーしている富田竜一郎(チームWRT)は最終スティントで31号車アウディR8 LMSに搭乗。総合22番手でコースに送り出された富田は、他車のピットインによってレース残り40分で迎えたリスタート時点で13番手/クラス6番手に浮上すると、ロマン・デュマやフレデリック・バービッシュらを攻略し総合8位/クラス4位となる力走をみせた。

 プロ・アマカップでは、フィル・キーン/濱口弘組の19号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ(オレンジ1・FFFレーシング・チーム)がクラス2位表彰台を獲得した。優勝はジョニー・アダムが牽引するガレージ59のアストンマーティン・バンテージAMR GT3だとなっている。

 全10戦で争われるGTワールドチャレンジ・ヨーロッパの次戦第2戦は5月7〜9日、フランスのマニクールで行われるスプリントカップだ。