5月2日現地時間午後3時、第3戦ポルトガルGP決勝が行われ、メルセデスのルイス・ハミルトンは今季2勝目を飾った。

 気候は前日までと大きく変わらず、気温19度、路面温度40度で、予選と同様にメインストレートに向かい風が吹いているものの、風速は弱い。

 Q3進出者のうちメルセデスAMG勢とレッドブル勢、シャルル・ルクレール(フェラーリ)はQ2通過時のミディアムタイヤ、そして残り5人のカルロス・サインツ(フェラーリ)、エステバン・オコン(アルピーヌ)、ランド・ノリス(マクラーレン)、ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)、セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)はソフトタイヤでのスタート。タイヤが自由選択となる11番グリッド以下では、キミ・ライコネン(アルファロメオ)とランス・ストロール(アストンマーティン)だけがソフトタイヤを選択し、それ以外は全車がミディアムを履いてスタートに臨んだ。

 スタートではフロントロウのバルテリ・ボッタス(メルセデス)、ハミルトンが好発進を決めて1-2のままターン1に飛び込んで行き、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が3番手で続く。4番グリッドのセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)はやや出遅れてターン1までにソフトタイヤのサインツに抜かれ、ノリスはスタートで6番手に上がったもののターン5でオコンに抜き返され、ターン13で再びオコンを抜いて6番手を取り戻した。8番手ガスリー、9番手ルクレール、10番手ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)という順位になり、角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)はターン3でロックアップしてしまったものの15番手で堅実に1周目を終えた。

 1周目から2周目のメインストレートでライコネンが前のアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)のリヤに接触し、フロントウイングを脱落させてターン1を曲がりきれずにリタイア。これでセーフティカー導入となり、メインストレートにデブリが散乱したため隊列はセーフティカー先導でピットレーンをスルーする。

 レースは7周目から再開。フェルスタッペンは好加速でトウを使ってハミルトンに並びかけ、ターン1のアウトからオーバーテイクして2番手に浮上してみせた。ノリスもソフトタイヤを活かしてペレスを抜き4番手に上がり、角田はターン8でストロールに抜かれて16番手に後退。ストロールはさらにラッセルも抜いて14番手に上がった。

 首位ボッタス、2番手フェルスタッペン、3番手ハミルトンのトップ3台は速いペースで周回し4番手ノリス以下を大きく引き離していく。ハミルトンは11周目のメインストレートでDRSを使いターン1でインに飛び込んでオーバーテイク。フェルスタッペンはターン3でアウト側に並ぶがポジションを取り戻すことはできなかった。

 フェルスタッペンはハミルトン攻略をひとまず諦めて1.5秒のギャップを置いて走行しタイヤをいたわる。ペレスはなかなか4番手ノリスを攻略できず毎周0.5秒ずつ離されていき、フェルスタッペンから9秒差に。14周目でようやくノリスを抜いて4番手に浮上した。角田もターン5でラッセルを抜いて15番手に上がる。

 ボッタスの背後でチャンスを狙っていたハミルトンは、20周目のターン1でDRSを使ってアウトからオーバーテイクし首位に立った。ハミルトンはじわじわとボッタス以下を引き離して行き、2番手に落ちたボッタスはDRS圏内に入った3番手フェルスタッペンからの攻撃に晒されることになる。

 21周目、サインツが先陣を切ってピットインし、寿命的にはギリギリだと思われるミディアムに履き替える。角田もピットインしてこちらはハードに交換した。翌22周目にノリス、オコン、ベッテルもピットインし、ノリスはサインツの前をキープした。ノリスとベッテルもミディアム、オコンはハードを選択している。

 24周目にはガスリーがピットインしミディアムを履き、翌25周目にミディアムスタートのルクレールもピットインしてハードへと履き替えサインツの後方、ガスリーの前でコースに戻る。

 ハードタイヤのオコンは34周目のターン1でガスリーを抜いて11番手へ。後方スタートのダニエル・リカルド(マクラーレン)、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、ストロールは依然としてピットインをせずに第1スティントを引っ張っている。

 35周目、フェルスタッペンは先にピットインしてハードに交換し、ボッタスに対してアンダーカットを仕掛ける。翌36周目にボッタスがカバーに入り、同じくハードに交換してフェルスタッペンの前で戻る。フェルスタッペンはアウトラップを全開で走り、タイヤが温まらないボッタスをターン5で捉えてインに飛び込んで実質2番手を奪い取った。首位ハミルトンは翌37周目にピットインしてハードに交換し、実質トップのままでコース復帰を果たした。

 フェラーリは37周目にルクレールがサインツの前に出て、サインツはオコンからのプレッシャーを受ける。オコンは44周目のターン1でDRSを使ってアウトから抜き去って7番手に上がる。

 39周目にピットインしたストロールはミディアムに履き替えて角田の前で復帰。40周目まで引っ張ったアロンソはベッテルの前11番手、41周目まで粘ったリカルドはピットボックスを行き過ぎてしまい4.8秒の静止時間を要するものの、ハードに履き替えてアロンソの前10番手でコース復帰を果たした。

 48周目にはリカルドがターン5でガスリーを抜いて9番手に上がり、ガスリーはメインストレートでアロンソにも抜かれて11番手に後退する。アロンソはさらに51周目のターン1でリカルドを捕らえて9番手へ。58周目のターン1ではサインツまで抜いて8番手まで浮上してみせた。後方では62周目のターン3でロックアップしたニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)をミック・シューマッハー(ハース)がパスし、実力でハースがウイリアムズを抜いて17位でフィニッシュしてみせた。

 ペレスはセーフティカー出動に望みを掛けて走り続けたが、51周目のメインストレートでハミルトンに抜かれてピットインしソフトに交換し、3番手ボッタスの24秒後方でコースへ。そして55周目に1分20秒643のファステストラップを記録した。

 ボッタスは55周目に排気系のセンサートラブルによりパワーダウンを強いられ2秒ロス。これでフェルスタッペンとの差は4.8秒に広がった。リセットによって問題は解決するが、わずかなパワーダウンを余儀なくされペースは元のようには上がらない。

 後方4番手のペレスとの間には28秒のギャップがあったため、ボッタスは63周目にピットインして新品ソフトタイヤを履きタイムアタック。これに対し後方にスペースができたフェルスタッペンも翌64周目にピットインし、予選で使った3周オールドの中古のソフトタイヤを履いてアタックへ。ボッタスは65周目に1分19秒865でファステストラップを更新。フェルスタッペンは最終ラップに1分19秒849でこれを塗り替えて1ポイントを掴み獲ったかと思われたが、ターン14でトラックリミット違反を犯してタイム抹消となり、ファステストラップポイントはボッタスのものとなった。

 優勝はハミルトン、2位フェルスタッペン、3位ボッタス、4位ペレス、5位ノリス、6位ルクレール、7位オコン、8位アロンソ。ミディアムタイヤがタレたサインツはペースが低下し64周目にリカルド、65周目にガスリーに抜かれて11位まで後退してしまった。角田は前のストロールとの差を縮めたもののペースは振るわず、15位でレースを終えた。