2021年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦決勝がオートポリスで開催された。当初42周で争われる予定だった決勝レースは、悪天候により13周目を走行中に赤旗が提示され、そのまま終了。スタートからトップを守りきったジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)が参戦2戦目でスーパーフォーミュラ初優勝を飾った。

 予報通りに朝から強い雨と濃い霧に見舞われたオートポリス。午前中に予定されていたサポートイベントの全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の第8戦が午後に延期(第9戦はキャンセル)、またスーパーフォーミュラのフリー走行もキャンセルとなり、決勝レース直前のウォームアップ走行が8分から20分に延長されることになった。

 そのウォームアップ走行も、雨と霧でスケジュールディレイが続き、ようやくスーパーフォーミュラのマシンがコースインしたのは14時。直前に大粒の雨が降った影響でコース上はヘビーウェットコンディションになっており、各マシンは慎重に走行を重ねていた。

 ウォームアップ開始から5分ほどのところで牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が100R先でクラッシュし、セッションは赤旗が提示されそのまま終了に。どのマシンも思うような確認ができないまま、決勝レースへ向かうこととなった。

 スタート進行の間にも、強い風でコンディションは目まぐるしく変化。濃い霧が出たり晴れたりの繰り返しで、気温が22℃と比較的高いためかコースコンディションはやや回復していたが、フォーメーションラップ中にまた大粒の雨が落ちてきたことから再びヘビーウェットコンディションとなり、決勝レースはスタートを迎えた。

 1周のフォーメーションラップを終えてのスタンディングスタートでホールショットを奪ったのは、ポールシッターのアレジ。フロントロウの宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)はやや出遅れ、3番手スタートの阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)に先行を許してしまった。スタートダッシュに失敗したマシンも多かったようで1コーナーへは横は並びの集団で入っていくような状態に。

 3ワイド、4ワイドで1コーナーになだれ込んでいく中、5番手スタートの坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)と6番手スタートの平川亮(carenex TEAM IMPUL)が接触。集団のなかで2台がコース上でスピンしたことで、後続の多くのマシンは巻き込まれるかたちでグラベルまでオーバーランするなどして1コーナーを通過していった。

 平川はスタート直後に坪井の前に出ていたものの、1コーナーで坪井に押されるかたちに。この2台に加え、多重アクシデントを避けようとグラベルに入ってしまった国本雄資(KCMG)もここでレースを終えることになった。

 このアクシデントによりオープニングラップからセーフティカー(SC)が導入される。この時点でのトップ3はアレジ、関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)、松下信治(B-Max Racing team)の順。関口と松下はスタートダッシュもさることながら1コーナーの混乱をうまく切り抜けてポジションアップに成功していた。4周目を走行中にSCのライトが消え、5周目からのレース再開がアナウンスされる。

 リスタートに向けて徐々にマシンのスピードがアップしていくが、最終コーナーの手前で関口がオーバーランを喫し、一気にポジションダウン。アレジの後ろには松下がつき、次いで大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)、阪口、塚越広大(ThreeBond Drago CORSE)とコントロールラインを通過していった。

 スタートで出遅れ8番手まで順位を下げた宮田だったが、レース再開後に猛追をみせる。高く舞い上がるウォータースクリーンの中、7周目のオーバーテイクシステムを作動させて塚越をオーバーテイク。さらに、前を走る阪口とともに大津を1コーナーでアウトからかわしてポジションアップした。

 大津は7周目に阪口にとらえられたのち、宮田にも詰め寄られていたが、8周目の100Rで川に乗ってしまい挙動を乱してしまったところを宮田におさえられ、第2ヘアピンでインを刺されてポジションを落とすことになった。

 後方では激しいバトルが繰り広げられている中、トップのアレジは松下との差を保って走行。レースは11周目を迎えたところで大粒の雨が降り出したことから赤旗が提示され、12周目を完了するストレート上で全車がマシンを止めた。

 その後、いったんは16時20分にレース再開のアナウンスが出されたものの、再び霧が出始め、16時30分に赤旗中断をもってレース終了が発表された。赤旗中断1周前の順位により、スーパーフォーミュラ参戦2戦目のジュリアーノ・アレジがポール・トゥ・ウインで初優勝を飾ることになった。

 続いて2位につけていた松下だったが、レース終了後、スタート手順違反により5秒加算のペナルティが課せられ、自己ベストリザルトタイとなる3位となった。代わりに、阪口が2位、そしてスーパーフォーミュラ初表彰台を獲得することとなった。また、今回のレースは当初の42周の75パーセントの周回数を越えていないことから、入賞得点は通常の半分のハーフポイントとなる。