5月23日現地時間15時、F1第5戦モナコGPの決勝が行われ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが優勝を飾った。

 やや雲が多いものの予選よりは陽射しも強く、気温は20度、路面温度は37度。予選Q3でクラッシュを喫したシャルル・ルクレール(フェラーリ)はギヤボックス交換やモノコック交換などは必要ないと判断され、同スペックパーツへの交換での修復が果たせたため、予選結果通りポールポジションからスタートができることとなった。

 しかしグリッドに向かうレコノサンスラップを走行したところ左側ドライブシャフトに問題が発生し、ガレージに戻ってチェックしたもののコースインは果たせず。グリッドには向かわずスタート時間までの35分間でマシン修復を試みるが、時間内の修復は不可能と判断しスタートまで25分のところでルクレールはマシンを降りた。

 FP3でのクラッシュで予選に出走できなかったミック・シューマッハー(ハース)はスチュワードに決勝出場が許可され、最後尾グリッドからのスタートとなる。

 Q3進出勢は全車がQ2で使用したソフトタイヤ、11番グリッド以下はエステバン・オコン(アルピーヌ)とハース勢だけがソフトタイヤで、13番グリッドのランス・ストロール(アストンマーティン)と16番グリッドの角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)はハードタイヤ、それ以外はミディアムタイヤを履いてスタートに臨む。

 ポールポジションは不在のまま、2番グリッドのフェルスタッペンを先頭にレースのスタートが切られた。フェルスタッペンはイン側に向けてマシンを停め、スタートと同時にイン側をキープして3番グリッドのバルテリ・ボッタス(メルセデス)の前を抑えてトップでターン1に飛び込んで行く。後続も大きな混乱や順位の変動はなく、3番手カルロス・サインツ(フェラーリ)、4番手ランド・ノリス(マクラーレン)、5番手ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)、6番手ルイス・ハミルトン(メルセデス)、7番手セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)、8番手セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)、9番手アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)、10番手オコンという順で周回を重ねていく。ハードタイヤの角田はターン1の出口でニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)に並ばれ、ターン3の手前でバックオフして17番手に後退する。

 首位フェルスタッペンは2周目から1分17秒480のファステストラップで走行し後続を引き離しにかかる。しかしボッタスもファステストを記録して抵抗を見せ、両者は交互にファステストを塗り替えながら3番手サインツ以下をじわじわと引き離していく。

 11周目からフェルスタッペンはさらにペースを上げ、他のマシンもどんどんペースを上げていく。しかしコース上でのオーバーテイクが難しいためバトル状態にはならず、順位の変動は見られない膠着状態が続く。20周目を迎える頃にはボッタスが左フロントタイヤのグレイニングに苦しみはじめ、ギャップは5秒に広がり3番手サインツが背後に迫ってくる。

 29周目、ハミルトンが先陣を切ってピットインしハードタイヤに交換。9番手ジョビナッツィの前のスペースに戻ってプッシュする。

 翌周30周目にピットインしたボッタスは右フロントタイヤのナットが外れずリタイア。同じく30周目にピットインしたノリスが実質3番手に上がり、ガスリーはハミルトンの前をキープしてコース復帰。さらに31周目にピットインしたベッテルはガスリーの前に復帰しハミルトンとガスリーをオーバーカットすることに成功した。32周目にピットインしたサインツは2番手のまま戻り、34周目まで引っ張ったペレスは3台をオーバーカットして4番手でコース復帰を果たす。

 これで上位の各車がピットストップを終えてハミルトンに合わせてハードタイヤに交換し、首位フェルスタッペン、3秒差で2番手サインツ、さらに4秒離れて3番手ノリス、4番手ペレス、5番手ベッテル、6番手ガスリー、7番手ハミルトン、8番手にハードタイヤで走り続けるストロール、ミディアムで引っ張る9番手キミ・ライコネン(アルファロメオ)、10位にオコン。レースはこのまま膠着状態となる。

 43周目にライコネン、そして角田の1秒前を走るラティフィがピットインしハードタイヤに交換。前が開けた角田はフリーエアでプッシュを続けるが、ピットインしてソフトに交換したアロンソに追い着いてしまう。

 55周目を過ぎて2番手のサインツは状況を打開しようとフェルスタッペンにプレッシャーを賭けようとするが、フェルスタッペンも冷静にこれに対処してギャップを3秒以内にはさせず、逆にタイヤに苦しみ始めたサインツとのギャップをじわじわと5秒まで広げていく。3番手ノリスもハードタイヤの扱いに苦労し、4番手ペレスがじわじわと迫ってくる。

 58周目にストロールがピットインしてソフトタイヤに交換し、オコンの前8番手をキープしてコースに復帰を果たす。

 角田は65周目にヌーベルシケインでタイヤをロックさせそのままピットインしてソフトタイヤに交換。ピットイン前に争っていたラティフィの4秒後方16番手でコースに復帰し、新品のソフトでプッシュして1分14秒037のファステストラップを記録し追いかけていく。

 ガスリーに抑え込まれて抜けないハミルトンは67周目にピットインして予選で使った中古のソフトタイヤに交換してファステストラップを狙いに行く。69周目に1分12秒909と大きく塗り替えてファステストラップポイント1点を手繰り寄せた。

 首位フェルスタッペンは燃料をセーブしながら悠々と走行し、最後は9秒の差をつけて独走でトップチェッカー。今季2勝目、モナコGP初表彰台で初優勝を挙げて、ハミルトンをかわしてランキングトップに浮上。ホンダとしても1992年のアイルトン・セナ以来、29年ぶりのモナコでの優勝を飾った。

 2位にやはりモナコ初表彰台のサインツ、3位はペレスに付け入る隙を与えなかったノリスがこちらもモナコ初表彰台と、3人全員が初めてという表彰台の顔ぶれとなった。

 4位ペレス、5位ベッテル、6位ガスリー、ハミルトンは7位に終わりドライバーズランキングでフェルスタッペンが逆転し4点差で首位に立った。コンストラクターズランキングでもレッドブルがメルセデスAMGを逆転しトップに立っている。8位ストロール、9位オコン、10位ジョビナッツィが今季初入賞を果たしている。角田はラティフィの背後に迫ったものの抜ききれず16位完走で初のモナコGPを終えた。