ポルシェは6月24日、マンタイ・パフォーマンスキットを装着した『ポルシェ911 GT2 RS』がドイツ、ニュルブルクリンク北コース(ノルドシュライフェ)で6分43秒300をマークし、同コースでの市販車レコードタイムを更新したと発表した。

 スポーツカーの“聖地”とされ、ヨーロッパメーカーに限らず数多くの自動車メーカーが新車の開発テストを行うノルドシュライフェ。スポーツカーメーカーにとっては自社のハイパフォーマンスカーとライバル車とのポテンシャルを比較する“戦場”でもある。

 そんなノルドシュライフェを舞台にポルシェは6月14日、公証人の立ち会いの下『ポルシェ911 GT2 RS』によるタイムアタックを実施した。ドライブを担当したのはニュルを知り尽くす同社開発ドライバーのラース・ケルンだ。

 ポルシェは今回、昨年11月に『メルセデスAMG GTブラックシリーズ』が打ち立てた6分48秒047(/全長20.832km、6分43秒616/全長20.6km)という記録を破ることを目標に掲げ見事、これをブレイクすることに成功。ケルンは6分43秒300というタイムで“グリーンヘル”を駆け抜けてみせた。

 911 GT2 RSは公道用のミシュラン・パイロット・スポーツ・カップ2 Rタイヤを履き、平均時速は185.87km/hをマーク。従来のタイム計測で用いられてきた全長20.6kmコースでのラップタイムは6分38秒835だった。

 市販車最速タイムを記録したポルシェには、ヴァイザッハのエンジニアとノルドシュライフェのスペシャリスト集団であるマンタイ・レーシングのコラボレーションの一環として開発された“マイタイ・パフォーマンスキット”が装着された。このキットはサーキット走行に特化したポルシェ・テクイップメント・コンポーネントのひとつで、ポルシェセンターを通じて一般販売されている。

「我々のGTカスタマーは、トラックデーなどサーキットでクルマを走らせることが多い」と語るのは、モデルラインズ911/718のフランク-シュテファン・ヴァリザー副社長。

「マンタイとポルシェのエンジニアたちは、911 GT2 RSがさらに高いパフォーマンスを発揮できるように、完璧にチューニングされたパッケージを共同で開発した」

 そのパフォーマンスキットは911 GT2 RS用に特別に開発されたシャシー、エアロダイナミクス、ブレーキコンポーネントで構成されている。

■「高速コーナーではレーシングカーに乗っているかのような感覚」とケルン

 ポルシェAGのインディビジュアライゼーション・アンド・クラシック担当副社長であるアレクサンダー・ファビグは次のように付け加えた。

「パフォーマンスキットの個々のコンポーネントは、互いに正確にマッチングしている」

「それらはすべてが一緒にインストールされた場合にのみ完全に有効になる。そのため、このキットは現時点ではパッケージ全体としてのみ提供されるものになっており、個々の製品として販売は現在のところ検討中だ」

 空力デバイスでは、フロントスポイラーに取り付けられた追加フラップやカーボン製のアンダーボディ、ホイールエリアのエアガイドエレメントなどにより、フロントのダウンフォースレベルが高められている。具体的にはフロントで時速200キロ時に発生する力が49kgから70kgに引き上げられており、新型のリヤスポイラーや改良されたデュフューザーなどが装着されたリヤでは93kgから200kgへと大幅に向上している。

 ドライブを担当したケルンは通常、タイムアタックには不向きな真夏のコンディションで、路面温度が41度にも上ったにもかかわらず新記録を樹立してみせた。彼はニューレコードホルダーとなった911 GT2 RSについて、次のように語っている。

「ポルシェ911 GT2 RSにマンタイ・パフォーマンスキットを装着すると、まるで接着剤のようにクルマがコースに密着するんだ。とくに高速コーナーではレーシングカーに乗っているかのような感覚になる」

「700PS(515kW)のパワー発揮するばかりでなく、信じられないほど優れたブレーキ性能を持ち、さらに、つねにコントロールしやすい姿勢が保たれる点は本当に驚くべきものだ」