7月4日現地時間15時、2021年F1第9戦オーストリアGP決勝が行われ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが優勝を飾った。

 朝から雲が多く時折小雨がパラつく気候で、気温は20度、路面温度は33度と金曜・土曜に比べて低いコンディションでのスタート。スタート15分前には柔らかな陽射しも出てきたが、セッション中の降水確率は60%。

 予選Q2でフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)のアタックを妨害するかたちとなったセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)は3グリッド降格ペナルティを科されて11番グリッドからスタートする。

 Q3進出勢はレッドブル勢とメルセデスAMG勢、ランド・ノリス(マクラーレン)、ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)がQ2通過時に履いていたミディアムタイヤ、アルファタウリ勢とアストンマーティン勢はQ2のソフトタイヤ、そしてQ2敗退勢のなかではカルロス・サインツ(フェラーリ)とキミ・ライコネン(アルファロメオ)だけが新品ハードタイヤを選び、シャルル・ルクレール(フェラーリ)は新品がないため中古のミディアム、それ以外は新品のミディアムタイヤを履いてスタートに臨んだ。

 スタートでポールポジションのフェルスタッペンが好発進を決め、2番手ノリスの間を抑える。角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)はターン1で僅かにフロントをロックさせるものの7番手を守って1周目を進める。

 ターン3出口で左右を挟まれたエステバン・オコン(アルピーヌ)が右フロントサスペンションを壊してストップ。これでセーフティカー出動となる。オコンと接触したアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)は1周目にピットインしてハードタイヤに履き替えた。

 首位フェルスタッペンに2番手ノリス、3番手セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)、4番手ルイス・ハミルトン(メルセデス)、5番手バルテリ・ボッタス(メルセデス)、6番手ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)、7番手角田、8番手ランス・ストロール(アストンマーティン)、9番手ベッテルと続き、10番手にはルクレールがポジションアップ。ラッセルはダニエル・リカルド(マクラーレン)にも抜かれて11番手に後退し、その後さらにサインツにも抜かれている。

 レースは4周目に再開。フェルスタッペンが首位をキープするが、ターン1でアウトに並びかけたペレスはコースオフし、ノリスに並びかけ続けるが一旦はポジションを譲る。ペレスはターン4で再びアウトに並びかけるが、ノリスと僅かに接触してコースオフ。これで10番手まで後退してしまいルクレールを抜けずに苦戦を強いられる。ターン3でペレスのインを伺ったハミルトンは行き場を失ってアウトからボッタスに抜かれるが、ターン4の出口で抜き返す。これでガスリーが5番手、角田は6番手にポジションを上げた。

 メルセデスAMG勢はノリスに抑え込まれるかたちとなり、フェルスタッペンはファステストラップ連発で1周0.5秒ずつ後続を引き離していく。ガスリーのペースも遅く、後続は11番手ルクレールまでトレイン状態で続く。

 ソフトタイヤスタートの角田は12周目にピットインしてハードタイヤに交換。翌13周目にはガスリーもピットインしてハードに交換し、3.7秒を要したが角田の前で戻る。14周目には後方のストロールもピットインし角田の2秒後方で戻り順位の変動は無し。ソフトスタート勢のなかではベッテルだけが長く引っ張る。17周目にはリカルドがターン4でベッテルを抜いて5番手に上がり、ベッテルは17周目にピットインしハードタイヤに履き替える。

 この時点でガスリーは14番手、角田15番手、ベッテル16番手、ストロールはミック・シューマッハー(ハース)の後方18番手。しかし角田はピットイン時にピットエントリーの白線を越えてしまい、5秒加算ペナルティを科されてしまう。ガスリーはジョビナッツィ、ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)らを抜いていくが、角田はなかなかジョビナッツィを抜けずに苦戦を強いられる。

 20周目のターン3でハミルトンは立ち上がり重視のラインを取り、ターン4でインに飛び込んでノリスをパスして2番手へ浮上。これと時を同じくして4周目のペレスを押し出したインシデントに対してノリスには5秒加算ペナルティが科された。

 29周目にリカルドがピットインしハードに履き替えてガスリーの後方、ラティフィの前でコースに復帰する。同じ29周目にジョビナッツィがピットインし、前がクリアになった角田はラティフィに襲いかかる。

 30周目に3番手ノリスがピットインしここで5秒加算ペナルティを消化するため、ボッタスも同一周回でピットインしてノリスの前に出た。31周目にはハミルトン、32周目にはフェルスタッペンもピットインしてハードタイヤに交換し、それぞれ順位を守って1ストップで最後まで走り切る戦略に。ペレスも32周目にピットインし、その前にいたルクレールは34周目まで引っ張ってペレスにアンダーカットを許したものの、2台ともに角田の前を確保した。

 ピットストップを済ませハードタイヤに履き替えたラッセルは38周目のターン3でストロールをパス。ペレスは40周目のターン4でルクレールのインに飛び込んで前に出るが、両者は僅かに接触しルクレールを押し出すかたちとなる。これに対してペレスは5秒加算ペナルティが科されてしまう。ルクレールは46周目のターン6でペレスのアウトに並びかけるが、再び押し出される。

 6番手ガスリーの後方には15周以上フレッシュなタイヤを履いているリカルド、ペレス、ルクレールが追い着いてきてトレイン状態になる。これでガスリーは45周目にピットインしてハードに交換した。

 ハミルトンは縁石で左リヤの空力にダメージを負い、ペースが上がらない。これを受けて後方のボッタスにはハミルトンに仕掛けないよう指示が出されるが、ハミルトンがタイヤを最後まで保たせることができないと判断しボッタスには自由に戦うことが許される。ボッタスの後方には4番手ノリスが迫り、まずは52周目のターン3出口でメルセデスAMG勢が順位を入れ換え。そして53周目のターン6でノリスがハミルトンのインに飛び込んで3番手に上がる。ハミルトンはここでピットインしハードタイヤに履き替えて前を追いかける。

 37周目にハードスタートのライコネンがピットイン。ハードタイヤのまま第1スティントを最も長く引っ張ったサインツも48周目にようやくピットインし、まだ第2スティントを伸ばす角田の後方に復帰するがすぐにターン4で抜き去った。角田は51周目まで引っ張って2回目のピットストップを行い、5秒加算ペナルティを消化してベッテルの後方14番手でコースに復帰。しかしここでもまたピット入口の白線カットを犯して5秒加算ペナルティを科されてしまう。

 これで順位は首位フェルスタッペンが2番手ボッタスを25秒以上リード。3番手ノリスが背後に続き、4番手ハミルトンは20秒後方、5番手ペレスはさらに5秒加算ペナルティを科されて6番手リカルドの背後に。7番手ルクレール、8番手サインツが迫り、9番手ガスリー、そして10番手ラッセルの背後にアロンソが襲いかかる。

 セーフティマージンを持つフェルスタッペンは60周目にピットインして新品のハードタイヤに履き替え、モードを変えてアタックし1分6秒200のファステストラップを記録した。

 10番手ラッセルはアロンソを0.8秒後方に従えてポジションを守る。両者のタイヤは2周しか違わず互角の戦い。65周目には7番手ルクレールより11周フレッシュなミディアムを履くサインツが追い着いてチームオーダーで前に出てリカルドに仕掛けていく。サインツは70周目のバックストレートでDRSを使ってリカルドの前に出て6番手を掴み獲る。

 67周目のターン3でインを守ったラッセルに対し、アロンソはターン4手前でDRSを使ってラッセルをパスし10番手へ。ラッセルはあえなく入賞圏外に落ちてしまった。

 フェルスタッペンはまったく危なげなくリードしてトップでチェッカーを受け3戦連続のポール・トゥ・ウイン、今季5勝目、ホンダにとっては1988年以来の5連勝をもたらした。

 2位ボッタス、3位ノリスが表彰台を獲得、ハミルトンは4位でマシンに損傷を負いながらダメージを最小化するレースとなった。ペレスに5秒加算ペナルティが科されて5位にはサインツが繰り上がり、6位ペレス、7位リカルド、8位ルクレール、9位ガスリー、10位アロンソ、ラッセルは11位に終わった。その背後にいたライコネンにターン4出口で並びかけたベッテルが接触し、2台はもつれ合ってコースオフ。これで角田は12位でレースを終えた。