2021年のWEC世界耐久選手権で採用されているル・マン・ハイパーカー(LMH)規定と、2023年からIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権で導入されるLMDhプラットフォーム間の“コンバージェンス(収束や共通化の意)”に向けたプロセスが、WMSC世界モータースポーツ評議会によって「テクニカルレギュレーションの改正」が承認されたことで両選手権の2023年シーズンを前に大きく前進した。

 7月8日にモナコで開催されたWMSCで発表によればFIA国際自動車連盟、ACOフランス西部自動車クラブ、IMSAの三者はまだ公表されていない合意に達したという。この合意によって、ふたつのトップクラスのプラットフォームが“パフォーマンス・コンバージェンス”を達成することが可能になっている。

 2020年1月のデイトナで発表されて以来、LMHとLMDhというふたつのプラットフォームをひとつのカテゴリーにまとめ、バランス・オブ・パフォーマンス(BoP)プロセスを通じて規制するための作業が進められてきた。

 Sportscar365は、先月パリで行われた会議で、コンバージェンスを実現するために必要な分野における妥協案が示されたことを理解している。

 これは主に、LMHのフロントアクスルのMGUで行われる回生に関連していると考えられており、LMDhではリヤに搭載される単一スペックのハイブリッドシステムのそれと比較したとき、ブレーキングとコーナーリングスピードで利点がある。

 統括団体は合意に達したレギュレーション改正の詳細や、WECのハイパーカーがウェザーテック・スポーツカー選手権に出場できるかどうかの詳細をまだ発表していない。

 今回見られた動きは、フェラーリがトヨタとグリッケンハウス、プジョーが参加するLMHに参入することや、アキュラとフォルクスワーゲングループのアウディ&ポルシェが発表したLMDhプログラムに加えて、BMWが同カテゴリーに加わることなど両方のプラットフォームに対する自動車メーカーのコミットメントが高まるなかで行われた。

 なお、今後もキャデラックを含む複数のメーカーがLMDhでのプログラム開始を発表するものと理解されている。

 ポルシェ・モータースポーツ代表のフリッツ・​エンツィンガーは木曜日の発表を称賛し、次のように述べた。

「LMDhとLMHのコンバージェンスを大変歓迎する。また、WECとIMSAの関係者に感謝する」とエンツィンガー。

「これは世界中のファンにとって素晴らしいショーになるだろう。我々はふたたびプロトタイプレースに参加することをとても楽しみにしている」

■LMP2は現行規定の終了が1年先延ばしに

 FIAはLMDhシャシーに関連する次世代LMP2レギュレーションが、広く予想されていたように、2024年まで施行されないことを確認した。

 当初、このクラスの新しいレギュレーションは2023年にデビューする予定だった。しかし、これは新型コロナウイルスが大流行する前に設定されたスケジュールであり、LMDhの当初のロールアウトを含めモータースポーツ界全体で遅延が生じているなかで、LMP2の新規則も例外なく巻き込まれることとなった。

 WMSCの声明では「既存のLMP2テクニカルレギュレーションが2023年末まで保持される」ことが確認されている。