ACOフランス西部自動車クラブと北米でスポーツカーレースを統括するIMSAとの間での最終的な”コンバージェンス”(収束、収斂)合意の成果として、2023年からIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のトップクラスとなるLMDhに、WEC世界耐久選手権で採用されているル・マン・ハイパーカー(LMH)規則の車両が、参戦を許可されることになった。

 7月9日の両シリーズからの共同発表は、前日にFIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)の「技術規則の修正」の承認を受けて行なわれた。この”コンバージェンス”契約の技術的な詳細は、タイヤ、加速プロファイル、ブレーキ性能、空力という4つの主要な領域において、LMHとLMDhのバランスをとる方法を提示している。

 LMHはWECを共催するACOとFIAによって生み出された規則である。今季採用されたこのカテゴリーは、パワートレインのレイアウトとシャシーの開発に関してオープンな規則となっている。

 IMSAとACOによって作られたLMDh規則では、マニュファクチャラーはブランドに合わせたエンジンと、スペック(共通)ハイブリッドシステムを組み合わせた車両を開発するために、指定された4つのLMP2シャシーからひとつをベースシャシーとして選択する必要がある。

 LMDhは、WECとIMSAの双方でレースをするように設計された共通のプラットフォームとして作成されたものだが、LMH車両におけるチャンピオンシップ間の互換性については、これまで明らかにされていなかった。

 今回の正式発表により、トヨタ、プジョー、フェラーリ、グリッケンハウスなどのLMH車両が、2023年以降はIMSAのトップカテゴリーにも参入することが可能となった。これらのLMH車両に対して、デイトナ24時間、セブリング12時間、プチ・ル・マンといったアメリカの伝統的なスポーツカーレースに参戦する可能性が開かれたことになる。

 9日に発表された共同声明では、北米におけるLMH車両の適格性は、各マニュファクチャラーとIMSAとの間の「商取引」の対象となることが宣言されている。

「FIA、ACO、IMSAは、LMHとLMDhで走るチームが大西洋の西側でレースをすることができるという共通の未来に向けて取り組んできた」とFIA耐久委員会のリシャール・ミル委員長は述べている。

「今日、コンバージェンスが現実に一歩近づいたことが分かる。これは耐久レースに携わる我々全員にとって素晴らしいニュースだ」

 ACO会長のピエール・フィヨンと、IMSAプレジデントのジョン・ドゥーナンもこの合意を歓迎し、関係する組織の協力と将来のスポーツカーレースの潜在的な利益を強調している。

 プジョー、トヨタ、フェラーリはすべて、IMSAにおいてLMHが参戦可能となることについて、以前に支持を表明していた。現在トヨタが参戦しているWECのハイパーカークラスには、プジョーが2022年に、フェラーリが2023年に、ともにLMH規則のマシンで加わる予定だ。

 プジョーのLMHプログラムを担当するステランティス・モータースポーツの責任者であるジャン・マルク・フィノーは今週初頭、プジョーはウェザーテック選手権のレースに参加する予定はないと強調していたが、コンバージェンスには賛同していると述べている。

「(LMH車両の)IMSAでのレースを許可するべきだと思う」とフィノーはSportscar365に対し語っている。

「技術的には、このクルマ(※7月6日に発表されたプジョー9X8ハイパーカー)はLMDhで使用されているものに非常に近い。しかし、その決定を下すべきは彼らだ」

「現在、我々のプログラムはWECのみだ。我々はWECにおける、このプログラムに集中している」