WRC世界ラリー選手権の2021年シーズン後半戦オープニングイベントとなる第7戦エストニアが7月15日(木)に開幕した。シリーズの最高峰クラスにトヨタ・ヤリスWRCで参戦しているTOYOTA GAZOO Racing WRTは、初日のSS1を終えた時点で、カッレ・ロバンペラが総合首位に。チームメイトのセバスチャン・オジエが総合10番手、エルフィン・エバンスは総合17番手となっている。

 2020年シーズンにWRCイベントとして初開催されたラリー・エストニア。素晴らしいステージとイベントオーガナイズの良さが高く評価され、今シーズンもWRCのシリーズ入りを果たしたこのラリーは、速度域の高い“高速グラベル(未舗装路)ラリー”だ。

 その一方、2年目の今大会では低速コーナーが続くテクニカルなセクションも増え、走行距離も延びたこともあり、より一層総合的な力が求められるラリーとなっている。
 
 そんなラリー・エストニアで今季6勝目を狙うトヨタ勢は、15日9時過ぎから行われたシェイクダウンに全車が参加。ここでロバンペラが全体トップタイムをマークすると、地元の英雄オット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)を挟んでTOYOTA GAZOO Racing WRCプログラムに参加中の勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)が3番手につけた。

 競技は同日のセレモニアルスタート後、サービスパークが置かれているエストニア第2の都市であるタルトゥを舞台にした全長1.64kmのショートステージ“タルトゥ1”でSS1が行われた。
 
 このスーパーSSの路面はルーズグラベルが多く、非常に滑りやすいコンディションであったため、オジエやエバンスなど出走順が早いドライバーたちは厳しい条件での走行となった。

 そんななか、ロバンペラは2番手と0.1秒差のトップタイムを記録しラリーの初日総合首位に。チームメイトのオジエ、エバンス、そして勝田はトップ10以降の順位でのフィニッシュとなったが、その差は最大3.2秒とごくわずかだ。

「今晩のオープニングステージには満足している。全員がミスなく良い走りをしてくれた」と語るのは、TOYOTA GAZOO Racing WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表。

「路面のコンディションはクルマが走るたびにどんどんと良くなっていったが、タイム差はまだ小さいし、明日からの本格的なステージに向けて準備はできている」

「気温が高く乾燥しているので、明日1、2番手でステージに臨むセブ(セバスチャン・オジエ)とエルフィン(・エバンス)は路面を覆う大量のルーズグラベルに悩まされることになるだろう」

「しかしカッレ(・ロバンペラ)は充分に戦えるポジションにいることだし、シェイクダウンでも速さを示した。また、(勝田)貴元もいい走りだった。全体的には、シェイクダウンを終えて皆が満足していたので、クルマはこのラリーに合っていると思う。優勝争いができることを期待しているよ」

■「かなり苦労すると思う」と先頭スタートのオジエ

 初日を総合首位で終えたロバンペラは、「最初のステージは非常にトリッキーだったので、ミスなく走り切ることだけを考えていたが、結果的に速いタイムを出すことができた。また、シェイクダウンでのクルマのフィーリングはとても良かった」とコメント。

「今年は新しいステージが沢山あるが、その多くが狭くてテクニカルなものなので、全体的にはそれほどハイスピードなラリーではない。だから、非常に精度の高いペースノートが求められる」

「僕たちにとっては、クリーンにラリーを戦い上位争いに加わることが何よりも重要だ」

 デイ2ではトップスタートとなり、“掃除役”を担うことになるオジエは苦戦を予想しながらも「やれるだけのことをやるつもり」と述べた。

「この週末は出走順トップでステージに臨むことになるため、かなり苦労すると思う」とオジエ。

「シェイクダウンでは走るたびに路面コンディションが良くなったし、オープニングのスーパーSSはすでに非常に滑りやすい路面状態だった。それでも、いつものようにベストを尽くし、何ができるのかを考えたいと思う」

「昨年の大会よりもステージの距離が長くなっているが、今回はより入念な準備をしてきましたので、やれるだけのことをやるつもりだ」

 初日はWRカー勢の下位に甘んじたエバンス。選手権2位につけ、ランキング首位のオジエを追う彼は「明日からの本格的なステージが楽しみ」と語っている。

「今晩の短いスーパーSSは、とても道幅が狭くツイスティなステージだったが、まずは無事にスタートを切ることができて良かった」

「シェイクダウンでのクルマのフィーリングは全体的に良好だった。2回目の走行に向けていくつかセットアップ変更を行ったが、すべてうまくいったので、明日からの本格的なステージが楽しみだよ」

「今年のラリー・エストニアはさまざまなステージが混在している。これまでよりも狭くてテクニカルなセクションも増えたが、もちろんハイスピードなセクションもある。全力を尽くして上位を狙っていきたいと思う」