WEC世界耐久選手権のLMGTEプロクラスにAFコルセ51号車フェラーリ488 GTE Evoで参戦しているジェームス・カラドは、7月18日に行なわれた第3戦モンツァ6時間レースにおいてポルシェGTチームの92号車ポルシェ911 RSR-19(ケビン・エストーレ/ニール・ジャニ)との激しいトップ争いに敗れて2位となったことを、「受け入れ難い」と表現した。

 今季のLMGTEプロクラスは、フェラーリ2台、ポルシェ2台の争いとなっている。

 初開催となるモンツァでクラスPPからスタートした92号車ポルシェは2時間20分までGTEカテゴリーをリードしていたが、セーフティカー後の激しいトラフィックの中でカラドがジャニを攻略、一度は51号車フェラーリトップに立つ。

 しかし約30分後の同時ピットインでは素早い作業により92号車が先にコースへ。レース折り返しを前に92号車がトップに立ち、これを51号車のカラド/アレッサンドロ・ピエール・グイディ組が僅差で追う展開となった。

 残り約35分、デブリ除去のため導入されたこのレース2回目のフルコースイエロー(FCY)で、ポルシェは燃料補給のためのピットインを選択したのに対し、AFコルセ陣営は51号車をステイアウトさせる決断を下した。

 レース再開後の最終盤、51号車のピエール・グイディはトップの92号車のすぐ背後へと迫ったが、残り2分のところで無念の燃料スプラッシュに向かったことで、92号車の今季2勝目を阻止することはできなかった。また、ドライバーズ・ポイントランキングでも92号車のふたりに逆転を許す格好となった。

「これは、受け入れ難いものだ。おそらく、これまでで最も残念な2位だ」とカラドは語っている。

「僕らはこの一戦でなんとしても勝ちたかった。だけど、ポルシェは少しだけ優位に立っているように見えた」

「とても接近していたが、最後の1周の燃料が足りなかった。終盤にスローゾーンやFCYが導入されることを期待してリスクを冒したが、そうはならなかった」

「僕らのホームレースで優勝した彼らを祝福する。それは良いことだし、ル・マンに向けて僕らはより一層の努力をしていく」

■「参戦台数なんて関係ない」とポルシェのエストーレ
 51号車フェラーリのフィニッシュドライバーとなったピエール・グイディは、エストーレがFCY下でピットに入った後もなお前方に位置していた92号車のエストーレを打ち破るチャンスを得るためには、3度目のFCYの介入などが必要だったと示唆する。

 ピエール・グイディはエストレをパスする方法を模索するためにプッシュをしており、これがフィニッシュ前に燃料が足りなくなる一因ともなった。

「彼らは彼らのペースが良いことを分かっているから、より安全策をとったのだと思う」とピエール・グイディ。

「彼らは、僕らよりも1周多くスティントを走行できることを示していた。彼らは燃料について(僕らより)より長く走ることができ、スピードもあったので、僕らにとって今日はとても困難な一日だった」

「僕らは良い仕事をしたと思う。すべてを試した。だけど、もし何らかの理由でもう一度FCYが出ていたら、(スプラッシュをしなくても)大丈夫だっただろう。僕らはすべてにトライし、少しの賭けをしたんだ」

「それは報われなかったが、背後には大きなギャップがあったから、何も失うものはなかった」

 優勝したエストーレは、GTEプロクラスの優勝争いにおいて、2台のクルマの間でこれほどまでの執拗なバトルはこれまで経験がない、と付け加える。

 マンタイ・レーシングがサポートするポルシェのファクトリーチームは、フェラーリがより強力なマニュファクチャラーとなることを予期してモンツァ入りしたという。しかし、金曜日のオープニング・セッションこそフェラーリ勢におくれを取ったものの、その後の2回のプラクティス、そして予選ではポルシェがこのカテゴリーのトップタイムをマークした。

「これまでの週末を通じてフェラーリは我々よりも少し良かったから、ポールポジションを奪ったとはいえ、僕らはまだ挑戦者だったと思う」とエストーレは述べている。

「僕らは完璧なレースをしたと思う。ピットストップ、戦略の面で完璧だった。僕らはとても速かった」

「非常にタフなレースだったので、とても嬉しい。過去4年間、GTEプロのレースでこれほどの激しい戦いは記憶にない」

「これほどわずかなマージンで勝つことができれば、そこに何台のクルマが出場しているかなんて、関係ないよ」