7月17日、FIM世界耐久選手権(EWC)2021シーズン第2戦エストリル12時間耐久ロードレースの決勝レースがポルトガルのエストリル・サーキットで行われ、日本チームのF.C.C. TSR Honda France(ジョシュ・フック/高橋裕紀/マイク・ディ・メリオ組)が優勝した。ヨシムラSERT Motul(グレッグ・ブラック/チャビエル・シメオン/シルバン・ギュントーリ組)は2度の転倒を喫して17位フィニッシュとなった。

 30台が出場し、現地の朝9時にドライコンディションでスタートした決勝レース。ホールショットを奪ったのはヨシムラSERT MotulのブラックでTSRホンダ、BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM(BMWモトラッド)と続く。ポールスタートだったYART - Yamaha Official Team EWC(YARTヤマハ)は今回もスタートで出遅れてしまい1周目を6番手で終えた。

 トップ3台は後続を引き離していき、2周目にはTSRホンダのディ・メリオがトップに浮上。3周目にBMWモトラッドがトップに立ち、YARTヤマハは4番手まで順位を回復させた。

 BMWモトラッドは独走を築き、第2集団はヨシムラSERT Motul、TSRホンダ、YARTヤマハに。その後ろにWEBIKE SRC KAWASAKI FRANCE TRICKSTAR(SRCカワサキ)、TATI TEAM BERINGER RACING、ERC Endurance Ducati(ERCドゥカティ)、SSTクラスのBMRT 3D MAXXESS NEVERSと続いた。

 すると、YARTヤマハが8周目に3番手、9周目に2番手と追い上げを試み、以降は2番手を維持した。

 レース開始から40分が過ぎると、ERCドゥカティ、SRCカワサキが早々にピットイン。約53分にYARTヤマハがトップを奪うが、直後にピットに入った。それから、高橋裕紀に交代したTSRホンダは1周、BMWモトラッドは2周、ヨシムラSERT Motulは3周遅れで入り、燃費の違いが顕著に表れた。

 1度目のピットルーティンが終わった開始1時間後では、トップからBMWモトラッド、ヨシムラSERT Motul、YARTヤマハ、SRCカワサキ、TSRホンダ、VRD IGOL EXPERIENCES、TATI TEAM BERINGER RACING、ERCドゥカティというオーダーだ。

 1時間半が過ぎると、ERCドゥカティが2度目のピットインし、その10分後にSRCカワサキが入る。その他の上位勢は1時間50分を過ぎた時点で燃料補給とライダー交代を行っていた。

 レースが動いたのは2時間24分。トップを走るBMWモトラッドのケニー・フォレイが転倒。再スタートを切るがポジションを大きく落としピットでマシンを修復する。後ろにぴったりつけていたヨシムラSERT Motulは首位を奪った。

 BMWモトラッドは19番手でコースに復帰して追い上げを図る。2時間47分過ぎにはヨシムラSERT Motulのシルバン・ギュントーリが1コーナーで転倒。ピットに入り15番手でコースに戻ったため、YARTヤマハがトップに躍り出た。

 3時間21分、Wojcik Racing Team 2が転倒を喫してコース上でライダーが動けなくなったためセーフティカーが導入され、約10分後に再開した。

 この時点ではYARTヤマハ、SRCカワサキ、TSRホンダが同一周回。VRD IGOL EXPERIENCES、TATI TEAM BERINGER RACINGが1ラップダウン。MOTO AIN、ERCドゥカティ、BMRT 3D MAXXESS NEVERSが2ラップダウンとなる。

 ピットルーティンの関係もあり、TSRホンダの高橋がトップを快走していた4時間39分、ERCドゥカティのマシュー・ギネスが転倒。マシンを起こして走行を続け、6番手を維持した。

 6時間36分、トップ走行中のYARTヤマハのニッコロ・カネパが転倒を喫する。グラベルからマシンを出して押してピットまで戻ったため19番手までドロップ。SRCカワサキにトップを譲った。

 7時間16分、5番手までポジションを回復したヨシムラSERT Motulのチャビエル・シメオンが4番手のTATI TEAM BERINGER RACINGに追突して両者が転倒。セーフティカーが導入される展開となった。ヨシムラSERT Motulは30分以上のロスを余儀なくされ、24番手まで順位を落とした。

 ボーナスポイントが与えられる8時間は、SRCカワサキ、TSRホンダ、VRD IGOL EXPERIENCES、BMWモトラッド、MOTO AIN、Team Bolliger Switzerland #8、ERCドゥカティ、Wojcik Racing Team、3ART BEST OF BIKE、TATI TEAM BERINGER RACINGのトップ10に10〜1ポイントが加算。11番手のYARTヤマハ、13番手のヨシムラSERT Motulは惜しくもポイントを獲得できなかった。

 それから10時間が過ぎても大きな変動はない。燃費によるピットストップ回数の違いもあり、1分20秒以上リードしていたトップのSRCカワサキとTSRホンダの差は実質的には約20秒。10時間27分時点に、プッシュしていたSRCカワサキがガス欠で、TSRホンダの高橋が単独首位となりラップリーダーを担う。2番手はVRD IGOL EXPERIENCESだ。

 SRCカワサキは6分のロスで4位までポジションを落としたが、BMWモトラッドをかわして、すぐに3番手まで浮上した。

 12時間レースのラスト10分を切ろうとした頃、2番手のVRD IGOL EXPERIENCESをSRCカワサキがかわし2番手まで挽回。その後、VRD IGOL EXPERIENCESはコースアウトでロスしてしまい抜かれ、BMWモトラッドが3番手に浮上した。

 そこから順位の変動はなく、TSRホンダが417ラップを周回して優勝を飾った。2位はSRCカワサキ、3位はBMWモトラッドとなった。SSTクラストップは6位のBMRT 3D MAXXESS NEVERSで、ERCドゥカティは7位、YARTヤマハは10位、ヨシムラSERT Motulは17位でゴールしている。

 結果、優勝候補のBMWモトラッド、ヨシムラSERT Motul、YARTヤマハ、SRCカワサキは皮肉にもトップ走行中の転倒やガス欠で勝利を取りこぼした。

 逆に、ペースを維持したTSRホンダがノートラブルで完走。1時間を超えるスティントもあり、燃費の良さを見せ、平均1時間に一度の計11回とライバルより1〜2度少ないピット回数となった。レースは30台中、Team Aviobikeの1台がリタイアしており、TATI TEAM BERINGER RACINGは未完走、28台が完走を果たした。

 次戦は9月18〜19日にフランス第3戦ボルドール24時間耐久ロードレースが開催される予定だ。