9月5日現地時間15時、2021年F1第13戦オランダGPの決勝が行われ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが優勝を飾った。

 収容制限いっぱいの7万人の観衆が詰めかけたこの日も好天が続き、気温は21度、路面温度は35度という好コンディションだ。

 予選でQ1敗退を喫したセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)は予選後に今季4基目のパワーユニットを投入し、第11戦ハンガリーGPの事故で失った2基目の損害を取り戻す戦略を採った。このうちESが予選で使用していたものとは仕様が異なる改良型であったため、ピットレーンスタートが義務づけられた。

 またQ2でクラッシュを喫したニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)はギヤボックス交換で5グリッド降格ペナルティが不可避となったため、レース戦略を考慮して別仕様のフロントウイングへの交換でピットレーンスタートを選択した。これによって角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)は14番グリッドへと繰り上がった。ペレスは早々にピット出口に並び、ラティフィよりも前でコースインするポジションを取った。

 ポールポジションのフェルスタッペンは予選Q3で問題が発生したDRSのアクチュエーター(差動装置)を交換して決勝に臨んでいる。

 Q3進出の10台はすべてソフトタイヤ、11番グリッド以下はジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)、ランド・ノリス(マクラーレン)、ロバート・クビサ(アルファロメオ)、ニキータ・マゼピン(ハース)、ラティフィがミディアムタイヤ、ペレスはハードタイヤ、角田を含むそれ以外の4台がソフトを履いてスタートに臨んだ。

 スタートでフェルスタッペンが好発進を決めてインの2番手ルイス・ハミルトン(メルセデス)の前に被せ、一気にターン1へと飛び込んでいく。各車とも無難な走りで大きな順位変動なくターン3までをクリアしていくが、ターン7までのセクションでは中団勢のなかで僅かな接触も見られた。

 1周目を終えた時点で首位フェルスタッペンは2番手ハミルトンに1.6秒の差を付け、3番手バルテリ・ボッタス(メルセデス)、4番手ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)、5番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)、6番手カルロス・サインツ(フェラーリ)、7番手にターン3でアウトからポジションを上げたフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、8番手エステバン・オコン(アルピーヌ)、9番手ダニエル・リカルド(マクラーレン)、ターン7手前でアロンソと接触したアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)は10番手となる。角田は14番手、ペレスは19番手と順位は変わらない。

 首位フェルスタッペンはじわじわとメルセデスAMG勢とのギャップを広げて3秒へ。4番手ガスリー以下はそれ以上に離れ、後続のフィールドは広がっていく。ペレスはタイヤを激しくロックさせて右フロントタイヤにフラットスポットを作ってしまい8周目にピットインしてミディアムに交換する。

 10周目にはセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)もピットインしハードに交換。予想以上にソフトタイヤは厳しく、メルセデスAMGもタイヤをマネージメントすることからプッシュに切り替えて各チームが2ストップ作戦へと切り替え始める。

 コース上での追い抜きは難しく、各車が前走車のペースに付き合わされるような展開が続く。

 タイヤが厳しくなったハミルトンは20周目にピットに飛び込み、ミディアムタイヤに交換する。これを見て首位フェルスタッペンも翌21周目にピットインし、同じくミディアムに交換する。フェルスタッペンは2.4秒前でコースに戻り、ハミルトンは1.8秒差まで縮める。

 24周目に4番手ガスリーがピットインしミディアムに交換する。

 首位ボッタスのタイヤが限界値に近付くが、メルセデスAMGはボッタスをステイアウトさせてフェルスタッペンの前を塞ぐ戦略に出る。フェルスタッペンはボッタスの2秒後方を走っている段階からペースが落ち、ハミルトンがじわじわと差を縮める。ボッタスはフェルスタッペンに追い着かれてからも前に居座り、フェルスタッペンのタイヤを使わせる。

 31周目のメインストレートでフェルスタッペンはボッタスを抜いて首位へ。すかさずハミルトンも追い着いてターン2で前に出る。ボッタスはこの周にピットインしてミディアムに交換。

 30周目にリカルド、31周目にサインツ、オコン、角田、アロンソは33周目にピットイン。ハードのサインツ以外はミディアムに交換し、ラッセルはピットレーン速度違反で5秒加算ペナルティを科され、ジョビナッツィはパンクで後退する。

 34周目にはルクレールもピットインしてハードタイヤに交換し、これで各車がピットストップを終える。順位は首位フェルスタッペン、2番手ハミルトンが1.5秒後方、3番手ボッタスは24秒後方。4番手ガスリーは48秒、5番手ルクレールはそこから10秒、6番手サインツが8秒、そしてミディアムタイヤのままステイアウトするノリスが7番手に留まりペレスを抑え込む。

 38周目からフェルスタッペンはペースを上げてハミルトンとのギャップを2.5秒に広げる。これを見たメルセデスAMG勢は39周目にハミルトンをピットインさせてQ1で履いた中古のミディアムタイヤに交換するが、トラフィックのなかに戻ってしまう。フェルスタッペンはハイペースを維持して翌40周目にピットインするとハードタイヤに交換し、ハミルトンの3秒前方に戻る。

 42周目にノリスがついにピットインしてハードに履き替え、僚友リカルドの後方、ラッセルの直前11番手でコースに戻る。リカルドはノリスを先行させ、後方から来るペレスを抑え込む役割を担う。

 48周目にはペレスがソフトタイヤに交換し、ラッセルの後方12番手に後退するもターン11でパスし、55周目にはリカルドをターン1で抜いてポイント圏内に上がる。角田は一度モード変更によって収まっていたパワー低下の問題が再発し、ピットに戻ってリタイアとなった。

 ミディアムタイヤが最後まで保たないかもしれないと考えるハミルトンはプッシュ。チームは最後まで走り切ることを優先するよう伝えるが、ハミルトンはレースを諦めたくないと訴えプッシュし続けフェルスタッペンの1.8秒後方でプレッシャーを掛け続けていく。フェルスタッペンのタイヤも左側のパフォーマンスは低下している。

 しかし58周目あたりからハミルトンのペースは低下し、ギャップは再びじわじわと広がっていく。

 フェルスタッペンは4秒のギャップを維持したまま72周を走り切り、母国グランプリでトップチェッカーを受けた。

 3位ボッタスは67周目にピットインしてソフトタイヤに履き替え、ここで5秒の静止時間をとってハミルトンにフリーストップのギャップを与える。ボッタスはチームからの制止を振り切って1分12秒549のファステストラップを記録。ハミルトンは70周目にピットインしてソフトタイヤを履き、最終72周目に1分11秒097のファステストラップを掴み獲った。

 4位ガスリーは5位ルクレールに5秒差を付け、その28秒後方ではアロンソが最後にサインツを抜いて6位に上がった。

 ペレスは65周目のターン1でノリスのアウト側に並びかけ、出口でラインが交錯して接触。しかしターン3出口で抜いて9位に上がり、さらにオコンをかわして8位フィニッシュ。ノリスは10位でポイント獲得を果たした。