9月5日、ドイツ・ニュルブルクリンクでファナテックGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ第8戦の予選および決勝レースが行われ、オレンジ1・FFFレーシングチームの63号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evo(ミルコ・ボルトロッティ/アンドレア・カルダレッリ/マルコ・マペッリ組)がポール・トゥ・ウインを飾った。

 今戦はシーズン終盤戦を迎えているGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ(GTWCヨーロッパ)の耐久部門“エンデュランスカップ”の4戦目。最終戦を前にタイトルの行方を占う重要な1戦だ。

 そんなレースの予選でポールポジションを獲得したのは、日本のスーパーGT経験者ふたりを擁するオレンジ1・FFFレーシングチームの63号車ランボルギーニだ。今季のエンデュランスカップで3回目のポールシッターとなった中国チームのマシンは、スタートからレースを支配。第1スティントを担当したマペッリが後続の88号車メルセデスAMG GT3(アッカASP)や22号車ポルシェ911 GT3 R(GPXレーシング)、4号車メルセデスAMG GT3(HRT)を引き離す走りでカルダレッリにバトンをつなぐ。
 
 レース中盤のスティントを任された元GT500クラスドライバーは2番手以下とのギャップをさらに広げ、その差を8秒から18秒としてアンカーのボルトロッティにマシンを託した。しかし、この最終スティントではアクシデントが相次ぐ。

 そのひとつ、ブーツェン・ジニオンの10号車BMW M6 GT3のストップはこのレース最初のフルコースイエローとセーフティカーを呼び出し、63号車が築いた貯金はここで大きく削られることとなった。

 また、リスタート後には予選3番手につけた22号車ポルシェが、コース上に散乱したグラベルに乗ってグリップを失いコースオフ、バリアにクラッシュした。直前にはアイアン・リンクスの71号車フェラーリ488 GT3 Evoも同じポイントでクラッシュを喫している。

 この車両回収のためレースは2度目のセーフティカーランに。残り時間12分でふたたび迎えたリスタート時、首位63号車と2番手88号車の間には1台の周回遅れがいたが、ジュール・グーノン駆るメルセデスは1コーナーまでにこれをパスし一騎打ちの体勢に持ち込む。

 ペースを上げたグーノンが残り10分を切った段階で63号車とのギャップを1.3秒にまで縮め、その後もプレッシャーを掛けていく。しかし百戦錬磨のボルトロッティは動じない。トップを堅持してスタートから3時間後にトップチェッカーを受けチームに今季初優勝をもたらした。

■史上初! 2戦を残しての総合チャンピオン確定

 ファイナルラップまで攻めた88号車メルセデスはトップまで1.2秒届かず2位。3位にはHRTの4号車メルセデスが入った。エミル・フレイ・レーシングの163号車、114号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evoが4位と5位だ。
 
 その後方でアイアン・リンクスの51号車フェラーリ488 GT3 Evoと順位を争っていたチームWRTの32号車アウディR8 LMSが6位でフィニッシュ。同車のクルーで、前戦ブランズハッチでスプリントカップのタイトルを確定させたばかりのシャルル・ウィーツとドリス・ファントールは、スプリントカップとエンデュランスカップを合わせた総合選手権で2番手につけるラファエル・マルチェッロに対し、残りのラウンドで獲得できる最大ポイント数を上回る61.5ポイント差をつけたことから、ラスト2戦を残してオーバーオール・シリーズチャンピオン獲得を決めている。

 シルバーカップを制したのは、総合8位/クラス首位でチェッカーを受けたエミル・フレイ・レーシングの14号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evo(アレックス・フォンタナ/ロルフ・イナイヒェン/リカルド・フェラー組)。プロ/アマクラスでは濱口弘が第2スティント担当したオレンジ1・FFFレーシングチームの19号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evo(フィル・キーン/ステファノ・コスタンティーニ/濱口組)がクラス優勝を飾り、このレースでは3クラスすべてでウラカンGT3 Evoが勝利を飾ることとなった。
 
 シルバーカップに参戦している富田竜一郎のチームWRT、31号車アウディR8 LMSは予選で沈み後方30番手からのスタートとなったが、富田の最終スティントでの追い上げなどもあり総合16番手/クラス6番手でフィニッシュした。
 
 GTWCヨーロッパの次戦第9戦は9月24〜26日、スペインのバレンシアで行われるスプリントカップ最終戦だ。エンデュランスカップのラストレースはその2週間後、同じくスペインのカタロニア・サーキットで行われる。