9月11日(土)、宮城県のスポーツランドSUGOで行われたスーパーGT第5戦の公式予選で、GT300クラスの予選2番手には名取鉄平がドライブしたUPGARAGE NSX GT3がつけた。8月22日のスーパーGT第3戦鈴鹿、そして8月27〜29の全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第5大会で「悪い流れ」にあった名取にとっては、嬉しい予選となった。

 2000年9月11日生まれの名取は、2019年までヨーロッパで戦った後、2020年から国内に復帰。ホンダの育成プログラムからは外れることにはなったが、TEAM UPGARAGEからのオファーを受け、2021年はGT300クラスに挑戦するとともに、スーパーフォーミュラ・ライツではB-MAX RACING TEAMから参戦。ランキング首位を保っている。

 そんな名取だったが、スーパーGT第3戦鈴鹿では予選でシフトのトラブルに見舞われ、さらに決勝前のウォームアップで、まさかのクラッシュに見舞われた。130Rで右フロントタイヤが外れ、スポンジバリアにクラッシュ。車両は横転してしまったのだ。

 幸い名取には怪我はなかったが、「正直、次の日は首が痛くて。レントゲンを撮ってなんともなかったのですが、筋肉が張ってしまっている感じでした」という状態に。薬で症状は緩和されたが、翌週にはスーパーフォーミュラ・ライツが控えていた。幸いドライブできる状態ではあり、専有走行までは好調ぶりをみせていた。

 名取にとっては、この第5大会は2021年のチャンピオンを決めたい大会であり、その可能性も十分あった。ただ、結果は佐藤蓮に3連勝を許し、8月29日の第9戦では、1周目にまさかのコースアウト。自らも予想だにしなかった展開で、悔しさのあまり涙を浮かべ、コメントすらできない状態になっていた。

「もてぎでは専有走行までは速かったですし、何もなければいけたと思うんです。鈴鹿でも予選でトラブルが出るまでは、トップか2番手にいけるくらいの速さはあったんです。さらにウォームアップでクラッシュ。流れが悪かったんです」と名取。

 そんな状況だったが、UPGARAGE NSX GT3も修復され、迎えた第5戦SUGOではフィーリングも良好。「SUGOは路面ミューが低いので、想像とは違う方向にいきましたが、2番手タイムを出すことができました。トップではないのは心残りではありますが、BRZが速すぎるので、GT3勢のトップということで満足したいと思います」と予選Q2で見事2番手タイムをマーク。これまでの悪い流れを払拭してみせた。

「流れが良くなかったので、後半戦に向けていい結果になったと思います。本当に良かったです」と名取はひさびさに笑顔をみせた。

 文頭で気づいた方もいるかもしれないが、実は名取は今日が誕生日。「21歳の良い幕開けになったと思います。たまたま誕生日が予選日で、こういう結果を残せて嬉しいです」と予選後、チームからは手荒い祝福を受けた。

「今回は分かりませんが、ダンロップ勢は今までのデータを見ても、“タレる”予測もあります。小林崇志選手と切磋琢磨しながら、優勝を目指したいと思います」と9月12日の決勝に向けて意欲をみせた名取。21歳となった名取が、レースでどんな活躍をみせてくれるか、楽しみにしたい。