FIA会長のジャン・トッドは、F1のスプリント予選フォーマットの土曜に行われるフリープラクティスの意義を疑問視しており、F1のファンたちにとって「意味のないものだ」と主張している。

 2021年イギリスGPで初めて導入されたスプリント予選方式の2回目のトライアルが、第14戦イタリアGPで実施された。このフォーマットでは、金曜セッションは通常より遅い時間に開催され、FP1の後の予選で土曜スプリント予選のグリッドが決定する。土曜には、FP2の後に、30分のスプリントレースが行われる。

 トッドは、フリー走行2回目の有用性とエンターテインメントとしての価値に疑問を持っている。各マシンは金曜予選から、事実上パルクフェルメ状態となっているため、自由にセッティング変更を行えるわけではないのだ。

「この(スプリント)フォーマットにおいて、少々混乱する部分がある。それは、土曜の午後12時から13時に行われるセッションについてだ」とトッドはモンツァでメディアに語った。

「この1時間のフリープラクティスの意義は、一般の人々にもメディアにも理解できない。唯一チームにとっては、たとえばタイヤの摩耗などについての情報を集められるという意味で、利点があるが」
「しかしショーの観点からは、意味がない」

 今年最後のスプリント予選フォーマットは、11月のブラジルGPで導入される予定だ。F1はその後、このフォーマットについて包括的な評価を行い、2022年により多くのレーススケジュールに追加するかどうか等について決めることになる。

 モンツァでのスプリント予選では、オーバーテイクがほとんど見られず、ポジションの変動がないままにマシンが連なって走っているような状況だった。しかしF1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは、このアイデアを熱心に推し進めようとしている。

「スプリントがそれほど面白くなかったという事実が議論されるかもしれないが、それでも結局のところ、スタートは素晴らしかったし、意外な出来事があって、マクラーレンがフロントロウにつくことができた」とドメニカリは語った。

「繰り返しになるが、ブラジルで実施する予定の3回目の後に報告を行い、どのような種類のことを実現できるかを検討する」

「だが我々がやっていることは完全に正しいことだと私は考えている」

■オーバーテイクが少ないスプリント予選。リバースグリッド導入を提案するドライバーも

 ウイリアムズのジョージ・ラッセルは、100kmのスプリントレースは短すぎるため、タイヤのコンディションの違いによりオーバーテイクを成功させることは諦めなければならないと述べている。

「僕は、スプリントレースは短すぎると感じている」とラッセル。「どのマシンもすべてのラップをほぼ全開で走っているが、オーバーテイクが可能になるような機会がほとんど生まれない」

「通常オーバーテイクが見られるのは、タイヤの状態に差があるためだ。全員が(タイヤ交換なしで)走り続けたら、メルセデスとレッドブルがコンマ数秒以内で走行し、マクラーレンと次のグループがコンマ数秒内を走行する、という感じになる」

「タイヤに差がなければオーバーテイクのチャンスは訪れない。100kmのレースではそのチャンスがないんだ」

 フェラーリのシャルル・ルクレールは、土曜のスプリント予選でリバースグリッドを取り入れるという、思い切ったアプローチを提案した。リバースグリッドに肯定的なドライバーは数少ない。

「あまりエキサイティングなレースではなかった。それでも最初の数コーナーでは多少のアクションがあったように思うけどね」とルクレールは語った。

「ただ、誰もがいつもどおりの位置についていたのは確かだ。最速のマシンが先頭、遅いマシンは後方というグリッドだった。そうなると、いつもとは全く違う形で行われるスプリントレースのなかで、順位を上げるのはかなり難しい」

「僕が考える全く違う形は、選手権の順位のリバースグリッドだ。そうすれば、かなり多くのアクションが見られるかもしれない。こういうレースでは、前のマシンにぴったりついていくのがとても難しいんだ」