10月3日、北欧フィンランドのユバスキュラを中心に開催されているWRC世界ラリー選手権第10戦フィンランドは競技最終日を迎えた。このデイ3はSS16から最終SS19まで計4本のステージで争われ、前日に総合首位に立ったTOYOTA GAZOO Racing WRTのエルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)が後続を抑え切って優勝。今シーズン2勝目を挙げた。

 今月1日(金)に開幕した『ラリー・フィンランド』はシリーズ屈指のハイスピード・グラベル(未舗装路)ラリーとして知られる1戦だ。

 今年70周年を迎えた同イベントは2019年以来、2年ぶりに実施されることとなったが、観客を迎えての開催を実現するため例年の夏から秋へと開催時期が変更されている。また、今戦は現行WRカー規定で行なわれる最後のグラベルラリーでもある。

 そんなラリー・フィンランドは、フィンランドに拠点を置くトヨタチームの“ホームイベント”でもあるが、ラリー初日のデイ1はヒュンダイ勢が速さをみせ、クレイグ・ブリーン(ヒュンダイi20クーペWRC)とオット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)がワン・ツー体制を築く。対するトヨタはエバンスの3番手が最上位となった。

 しかし翌2日(土)はそのエバンスがライバルを圧倒するスピードを発揮。チームメイトのカッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)や勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)がクラッシュを喫するなか、前日のSS6から5ステージ連続でベストタイムを叩き出し、総合順位でもライバルの2台を交わしてトップに踊り出ることに成功する。

 総合2番手につけるタナクと9.1秒差で迎えたラリー3日目、エバンスはオープニングのSS16でタナクに後れを取ったものの、ステージタイムは2番手で縮まったタイム差はわずか0.4秒だった。続くSS17ではウェールズ人ドライバーが反撃に転じる。このステージでラリー・フィンランド2連覇中のタナクに3.5秒差をつける最速タイムを刻んだエバンスは、SS18でもベストタイムを記録しライバルとの差を12.4秒に拡げた。

 最終SS19終了後もこの2名の順位は変わらず。直前の2SSに続きパワーステージも制したエバンスがタナクを14.1秒差で下し第4戦ポルトガル以来、2021年シーズン2勝目を飾った。エバンスがボーナスポイントを含む“フルポイント”をマークした一方、僚友セバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)は今戦5位に終わり、パワーステージのボーナスも得られなかったため、タイトルを争う2名のポイント差は戦前の44点から24ポイントに縮まっている。

なお、残り2戦を残し選手権ランキング3位のティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)がオジエを逆転することが不可能となったため、ドライバータイトルの権利を有するのは現王者とエバンスのふたりに絞られることとなった。

 上位2台のドライバーと同様に、前日チームメイトに逆転を許し3番手に後退したブリーンもそのままの順位でフィニッシュ。自身3戦連続での表彰台獲得を果たした。4位には車両をレンタルしプライベーターとして母国戦に臨んだエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)が入っている。

 総合5位はオジエ、6位にはMスポーツ・フォードのガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)が入り、最終パワーステージで飛距離68mの特大ジャンプを披露したアドリアン・フルモー(フォード・フィエスタWRC)が7位となった。8位はWRC2クラスウイナーとなったテーム・スニネン(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)だ。

 前日のデイリタイアから3日目に再出走を果たした勝田は、SS16と最終SS19で4番手タイムを記録するスピードをみせラリーを完走した。同じくロバンペラも完走を果たしたが、彼はクラッシュで痛めた身体を庇いながらの走行を余儀なくされた。

 WRCの次戦第11戦は10月14〜17日、スペインのターマック(舗装路)ステージで争われるラリー・スペインだ。